行程
雲ノ平キャンプ場(04:30)→雲ノ平山荘(04:46)→祖母岳(05:05)→アラスカ庭園(05:51)→薬師沢小屋(06:38/06:54)→左俣出合(07:44)→太郎平小屋(09:03/09:24)→太郎山(09:34/09:41)→北ノ俣岳(11:14/11:45)→2624m地点(11:55)→北ノ俣避難小屋(12:51/13:13)→寺地山(13:52)→1842m分岐(14:32)→飛越トンネルP(15:37)
記録
3時半起床。食欲が無いので朝食は抜き。どっぷりと濡れたテントの朝露を嫌になる程拭いてテントを撤収したら出発。キャンプ場は雲ノ平の主要ルートから一段下にあるので、まずは木道の階段を登る。一段上に到達したら快晴の空の下に水晶岳が見えており、暗いので三脚を立てて撮影。
ほぼ平な木道を歩き、雲ノ平山荘手前の分岐を右に折れる。12年前に泊まった事があるが、その時に食べた石狩鍋が美味し過ぎて今でもその感動を覚えており懐かしい。いつかまた泊まってみたい。
太郎平方面に木道を進み、祖母岳の分岐を左に折れた辺りにザックをデポして12年前に時間の都合で寄れなかった祖母岳に向かう。
木道歩きで軽く一登りで祖母岳。雲ノ平自体が平らなのでピークっぽくないが、それでも360度遠目に山々の展望が広がり、中々珍しい構図のパノラマ写真が撮れた。
笠ヶ岳。
水晶岳。
祖母岳で写真を撮り終えたら木道を下って分岐まで戻る。木道の脇には沢山のチングルマの穂が揺れており、チングルマの最盛期にここでパノラマ写真を撮影してみたい。
黒部五郎岳。
分岐にデポしたザックを回収し、木道を進むと今度は奥日本庭園。標識の付近にある岩の上に三脚を立てて、無理くりパノラマ写真を撮影。黒部五郎岳や薬師岳が良く見え、遠くに立山方面の山々も見えた。
笠ヶ岳と黒部五郎岳。
奥日本庭園からアラスカ庭園に向かうと木道の左右は低木の樹林となり、標高が下がっているのが分かる。
雲ノ平の西端となるアラスカ庭園辺りで太陽が顔を出し明るくなる。
アラスカ庭園からは樹林帯の中の岩がゴロゴロした急な登山道を下っていく。こういった岩がゴロゴロした下りが一番好きであり、岩に登山靴のグリップを利かせてポンポン飛び乗って下っていく。
掛け走るように下って薬師沢小屋に到着。今回は急ぐ旅ではないので全体的にのんびり歩いたが、この区間だけはコースタイムの4割で歩けた。薬師沢の小屋の前にはこれから雲ノ平に向かう登山者グループで一杯であり、登山者グループが休憩を終えてハケた所で椅子に座って朝食の五目おこわを食べる。昨日の夜に作ったものなので固くなっているかと思ったが、冷たくてもモチモチして美味しかった。もち米は腹持ちもよいし長期縦走時の定番にしよう。
薬師沢小屋で15分程休憩したら太郎平小屋へ向けて出発。黒部の山賊に登場するカベッケヶ原はこの辺りだと思うが、気付いたのはだいぶ後。標識等は見つけられなかった。
薬師岳方面の展望。
左俣出合でザックを置いて顔を洗ってさっぱり。日差しがキツくて肌はジリジリするが、日影に入るとひんやりとした空気感で歩きやすかった。
左俣出合からも木道が続き歩きやすい。たまに休憩所が現れ腰を降ろして一息入れながら太郎平へと向かう。この後、太郎平から雲ノ平へと向かう山友のカッチン&ちいさんと計画的にバッタリ。昨晩はステーキだったようで、初日に頑張って黒部五郎小舎まで歩けたら、昨日薬師峠キャンプ場で合流してステーキにありつけたので残念だ。余った岩海苔を手渡して先に進む。
北ノ俣岳方面の展望。
雲ノ平から薬師沢小屋への下りで飛ばし過ぎて筋肉疲労が激しく、登りはツラい。太郎平への登りは道もしっかりしていて歩きやすいと思うのだが、景色を眺める余裕もなかった。
何とか太郎平小屋に到着。今日は薬師峠キャンプ場でテント泊して、明日薬師岳をピストンしてから帰ろうかと思っていたが、小屋で天気予報を確認すると明日から下り坂のようなので、今日中に下山する事にした。
太郎平小屋で薬師岳の山バッジを購入し、CCレモンを買って喉を潤したら北ノ俣岳に向かう。
北ノ俣岳に向かう途中で太郎山の標識があり、少し寄り道してパノラマ写真を撮影。小屋の前には沢山人がいたが、太郎山は目立ったピークでもないので女性二人組以外は誰も訪れず貸し切り状態だった。
パノラマ写真の撮影を終えて再度北ノ俣岳を目指すと、太郎山で出会った女性二人組が立ち止まってハイマツを覗いていた。近付くと小声で雷鳥親子がいる事を教えてくれた。何度見ても雛は可愛いねぇ。
雷鳥は一向に逃げる様子もなく写真を沢山撮影したところで、今度こそ北ノ俣岳に向かう。
女性二人組に追い付き「お先にどうぞ」と言われるが、追い越せる程足に余裕もないので同じペースで話をしながら一緒に北ノ俣岳に向かう。この女性二人組は腕に腕章をしているので話を聞いたところ、北アルプス常駐パトロール隊のメンバーであり、現在は太郎平小屋を起点にパトロールをしているそうだ。パトロール隊の方と話す機会は中々ないので、気になっていた事を根掘り葉掘り全部聞いて教えて貰った。パトロール中なのに仕事の邪魔してすみません・・・。
北ノ俣岳手前にある神岡新道へと続く分岐で女性二人組が立ち止まっており、「どうしたの?」と聞くと、どうやら神岡新道を下って帰る事を伝えていたので、見送りの為に待っていてくれたようだ。もう本当に二人共良い娘過ぎて、おじさんは涙が出そうでした。とか言いつつ、今回まだ北ノ俣岳でパノラマ写真を撮影していないので、一緒に山頂に向かう。
2日振りの北ノ俣岳山頂。少し雲が湧いてきたが、黒部源流の山々は全て山頂が見えており、最後の最後まで大パノラマを楽しめた。もう後は下って帰るだけので、パノラマ写真を撮影したところで山頂付近の岩に腰を降ろして大休止。黒部源流の山々を眺めながらのんびり昼飯を食べて至福の時間を過ごし、腹が膨れたところで女性二人組に挨拶して下山に取り掛かる。
剱岳と薬師岳。
黒部源流の山々。
北ノ俣岳を太郎平方面に少し下り、神岡新道の分岐を左に折れて、まずは北ノ俣避難小屋へと下る。
ミヤマリンドウ。
ガキの田の池塘群。
木道のお陰で楽々下って北ノ俣避難小屋に到着。今日中に下山予定で食料を残しておく必要もなくなったので、麻婆豆腐を作ろうと思って取っておいた森永の豆腐の無菌パックを開けて大人食いした。
冷奴を食べて休憩を終えたら一旦下って、寺地山へと登り返し。登り返して北ノ俣岳方面を望むと、既に雲がかかっていた。
初日にパノラマ写真を撮影したので、寺地山はスルー。
オヤマリンドウ。
寺地山を過ぎた辺りから後ろで鈴の音がしており、静かに一人でゆっくり歩きたいので「さっさと抜いてくれ~」と少し待ってみたりしたが、一向に登山者は現れない。待ちきれずに歩くスピードを上げて歩き、鈴の音が聞こえなくなった所でゆっくりマイペースで歩く。
さすがに4日以上雨が降っていないので、雨降り後はドロドロの登山道も少し干乾びており難無く歩けた。
送電線鉄塔が見えたら登山口は近い。最後の最後で捻挫しないように慎重に下って、怪我無く無事ゴール。結局4日間とも晴れてくれて、黒部源流の山々の大展望やまだ咲き残っていた高山植物も少し楽しめたので、最高の縦走だった。次回歩く事があれば、今度は7月の高山植物の最盛期に歩いてみたい。