登った山
丹後山、大水上山、藤原山、にせ藤原山、滝が倉山、剱ガ倉山、平ヶ岳、白沢山、大白沢山、景鶴山
日程・ルート
■2011年5月3日(火)
六日町IC(05:00)-三国川ダム管理所(05:30)-十字峡(06:27)-栃ノ木橋(07:36)-二合目(09:25)-三合目(10:12)-ジャコノ峰(12:52)-八合目(13:57)-丹後山避難小屋(14:31)-丹後山(14:37)-丹後山避難小屋(14:50)
■2011年5月4日(水)
丹後山避難小屋(05:30)-丹後山(05:33)-利根川水源碑(06:02)-大水上山(06:15)-藤原山(08:15)-にせ藤原山(09:51)-滝が倉山(12:10)-剱ガ倉山(14:23)-平ヶ岳(17:13)
■2011年5月5日(木)
平ヶ岳(06:58)-白沢山(07:53)-大白沢山(09:48)-景鶴山(12:10)-ヨッピ吊橋(13:23)-牛首(14:32)-至仏山荘(15:37)
■2011年5月6日(金)
至仏山荘(07:43)-鳩待峠(08:49)-戸倉バス停-沼田駅
登山記録 1日目
今年のGWは去年のGWに仕事の都合で断念した十字峡から尾瀬に抜けるルートを縦走する事に決めていたのだが、前日になっても準備は出来ておらず散々の準備状態。しかもこういう時に限って出発前日の仕事が遅くなったりする。家に帰ってから出発する迄に1時間で準備を終え、95リットルのザックがパンパンに膨らんでいるのが少し気になりつつも、時間も無いのでそのまま家を出発する事となった。
03:00 六日町IC
西武新宿線の下落合駅前から新潟駅前行きの夜行バスに乗り、3時頃に六日町ICに到着。予約しておいたタクシーが迎えに来るまで2時間程あるのでIC目の前にあるバスの待合所で仮眠しようとするのだが、一緒にバスから降りた男性が待合所内におり、壁に貼ってあるバスの時刻表を見ながら独り呟いていて怖くて仮眠出来る状況ではない。心の中で「早くどこかに行ってくれないだろうか」と思っていると、思いが通じたのか男性は腰を上げて六日町市街方面に歩いていき、これで一安心。背丈程あるベンチ上でシュラフに包まり朝まで仮眠する。
05:30 三国川ダム管理所
4時半に起床。何とか1時間は寝る事ができた。予約どおり5時に迎えに来たタクシーに乗り、十字峡に向かう。愛想の無い運転手と特に会話も弾まないまま三国川ダム管理所までやってくると、工事現場によくあるA型バリケードが道路上に置いてあり、どうやらタクシーではここまでのようだ。運賃の4900円を支払い、駐車場で登山の準備をしている方々を横目にしながら十字峡まで歩いて向かう。
05:50 しゃくなげ湖オートキャンプ場下の空きスペース
十字峡までの車道を歩いていると、数台の車が横を通り過ぎていく。バリケードは手でどけられるので突破してきたのだろう。「誰か乗せてくれないだろうか」と思っていると、途中で大型のバンが止まり、「雪ですぐそこまでしか行けないけど、乗っていくかい?」と声をかけられる。遠慮せずにありがたく車に乗せて頂くと、100m程走ったところで道路上の雪のために行き止まりとなり、大して楽は出来なかった。でも、こういった善意の気持ちは嬉しいものだ。乗せて頂いた方は地元の方で今日は十字峡まで遊びに行くとの事だ。地元の方に「お兄ちゃんはどこまで行くの?」と聞かれたが、「尾瀬」と伝えて「君には無理だよ」と言われるのが嫌だったのか「丹後山をピストンします・・・」と消極的な返答をした。こんな消極的な返答をするとは、よほど今の自分の体力に自信がなかったのだろう。
06:07 十字峡に向かう
空きスペースには若い男性2人グループがおり、地元の方が行き先が尾瀬である事を聞いてきてくれた。尾瀬方面に向かう若い男性2人グループが出発したのを追いかけるように、地元の方に車に乗せていただいたお礼を伝え、十字峡に向けて出発。駐車スペースから先の車道は車では走れない程の雪が残っており、コケないように注意しながら残雪を歩いていく。
06:22 対岸の県道233号
対岸にある県道233号は道路に完全に雪が残っており、まだまだ車は走れそうもなかった。
06:27 十字峡小屋
十字峡への道は車は通れないものの、日当たりのよい箇所は完全にアスファルトが見えており、大して苦労もせず十字峡小屋に到着。
06:38 十字峡小屋先の橋
十字峡小屋から少し行くと三国川(さぐりがわ)にかかる橋があり、先行していた若い男性2人グループがアイゼンを履く準備をしていた。挨拶すると「丹後山をピストンするんですよね」と言われ、どうやら地元の方が僕の行き先を伝えていたようだ。今更「実は尾瀬に・・・」とも言えず、「そうです」と返答。という会話をしつつも、気になるのは目の前に広がる林道にてんこ盛りの残雪だ。事前にこの付近から丹後山登山口までの道は例年残雪に覆われている事は調査済みではあったが、これほどまでに雪が残っているとは思わなかった。コケたら確実に左の三国川に落ちて助かりそうもないのでアイゼンを履き、まだ準備中の若い男性2人グループに挨拶して先に向かう。
三国川ダム方面に向かう十字峡トンネルも半分雪に覆われていた。
物凄い斜度の箇所もあったが、トレースのおかげで何とか通過できた。
07:36 栃ノ木橋
アイゼンとピッケルとトレースのおかげで何とかコケずに丹後山登山口手前の栃ノ木橋までやって来る事ができた。崩れそうな残雪を慎重に歩いて対岸に渡る。
07:46 丹後山登山口
栃ノ木橋から残雪を少し歩くとすぐに丹後山の登山口に到着。登山口には年配の方1名と若者2名の3人グループがおり、出発直前だったようで挨拶するとすぐに尾根へと続く急傾斜を直登していった。何処の山に登るのかまでは聞けなかったが荷物の量からして尾瀬までは歩かないようだ。先行していたグループの方々のキックステップで作られたトレースを使わせてもらい登り始めると、ザックが急に重く感じられ、太ももが悲鳴を上げていた。登り始めてわずか1分で「この先本当に大丈夫だろうか?」と心配になり、不安を抱きながら登っていく。
08:17 尾根に出る
先行していたグループは尾根までひたすら直登しているのだが、途中で登山道を示す赤リボンを見つけたのでトレースを外れて自分なりのルートで登ると、傾斜が更に急になり進退窮まってしまった(笑)。「余計な事をしなければよかった」と思っても今更遅く、仕方が無いので藪を漕いでひたすら直登すると尾根に到達。尾根上には雪が無く、ここでアイゼンを脱いで一休みしてから先に進む。
09:19 イワウチワ
尾根上にはピンクの可愛いイワウチワが沢山咲いていた。軽量化のために今日持ってきているレンズは1本しかなく、ズームで撮影出来ないのが残念だった。
09:25 二合目
尾根に上がってすぐの箇所は雪がなかったのだが、暫くすると殆ど残雪上を歩くようになる。途中で橋で出会った若者2人グループに追い抜かれ、先行者5人のジグザグに出来たトレースをありがたく使わせてもらい一登りすると展望が開け二合目に到着。ここでは先行の3人グループが休憩しており、挨拶して先に進む。
09:31 丹後山雨量観測・・・
二合目から少し歩くと、丹後山雨量観測・・・と書かれた棒が倒れていた。
10:12 三合目
葉が付いていない時折視界が広がる樹林帯の尾根を小股でゆっくり登ると三合目に到着。どうやらこの尾根には合目毎に石の標柱が設置されているようだ。たった1合登っただけで正直もうしんどくて、今日歩いて調子がよければ藤原岳の手前の樹林帯でテント泊の予定だったが、体力不足で歩ける自信が無いので丹後山の避難小屋に泊まる事に決める。
11:07 昼寝する
三合目から1時間ほど登ったところに残雪上の平坦地があり、太陽の日差しであまりにもポカポカして気持ちが良いので銀マットを敷いて1時間ほど寝る。藤原岳の手前まで行くのであればこんな事はしていられないのだが、今日のゴールが丹後山避難小屋だと時間的にかなり余裕が生まれ、ここから先はゆっくり無理なく登る。
12:52 ジャコノ峰
地図上の二合目からジャコノ峰のコースタイムは1時間半なのだが、3時間半もかかってジャコノ峰に到着。サボり過ぎだ。笑
13:35 七合目
ジャコノ峰から広い雪原を登っていくと七合目。森林限界も過ぎ、この辺りは非常に視界がよい。左には中ノ岳や兎岳、右には越後沢山や本谷山が望めるのだが、何故かパノラマ写真は撮影しなかった。疲れていたのだろうか。
13:51 シシ岩(クサリ場)
シシ岩の辺りは道が露出しており、クサリが出ていた。
13:57 八合目
シシ岩のすぐ先が八合目。朝よりもだいぶ霞んできたが、中ノ岳はまだまだよく見えていた。
14:26 県境稜線に到着
展望を楽しみながら、ゆっくり登っていくと新潟県と群馬県の県境稜線に到着。やった、これで明日からは左右に展望を楽しみながら歩ける。残雪歩きが終わり、左の笹原の登山道に進む。
14:29 丹後山避難小屋
笹原の登山道を歩いていくと、今日の寝床の丹後山避難小屋が見えてくる。避難小屋への分岐にザックを置いて、カメラと三脚のみ持って丹後山に向かう。
14:37 丹後山
丹後山避難小屋から数分歩くと丹後山の山頂に到着。山頂部には雪が無く、夏山となんら変わりはなかった。直前の天気予報で明日の晴れが確約されている状況なのでパノラマ写真は明日でもよかったのだが、撮れる時に撮っておかないと後々後悔する事が多々あったので、念のためパノラマ写真を撮影。山頂からは越後駒ヶ岳、中ノ岳、越後沢山、本谷山、そして明日歩く平ヶ岳へと続く稜線も見える中々の展望だった。
14:50 丹後山避難小屋
丹後山の展望を楽しんだ後は、本日の宿となる丹後山避難小屋に向かう。丹後山避難小屋付近には残雪が豊富に残っているのに、何故か小屋の周りだけは残雪が無く、1m程残雪を下って小屋前に降り立つ。中に入ると誰もおらず、先行者5人はテント泊のようだ。15時を過ぎると、越後駒ヶ岳からやって来た埼玉の中嶋さんが到着。この後は、登山・登攀経験豊富な中嶋さんと山話で盛り上がり、晩飯を食べて20時位に寝た。
2日目に続く