行程
黒部五郎小舎(04:46)→2667m巻道分岐点(06:01)→三俣山荘(06:50/07:20)→鷲羽岳(08:31/09:20)→ワリモ北分岐(10:03)→岩苔乗越(10:13)→祖父岳(11:10/11:31)→雲ノ平キャンプ場(12:23)
記録
3時半頃に起きて外を確認するとガスっていた。昨日作っておいた海苔弁を半分だけ食べて朝食とする。朝露で濡れまくったテントを無造作に袋に詰めてザックに入れて、まずは三俣山荘に向けて出発。
黒部五郎小舎からは樹林帯のそこそこの急な登りであり、朝からキツイ。牛歩で一歩一歩登っていく。
しばらく登っていくと、登山道の脇の斜面に沢山のチングルマの穂が風に揺れていた。花の最盛期にここを歩けたら何とも幸せだろうが、短い花の最盛期と休みと天気の条件が中々重ならないので、次はいつ来られるのだろうか。
ガスの中登っていくと2661m地点で一気にガスが抜ける。後ろを振り返ると昨日登った黒部五郎岳が見え、一気にテンションが上がる。
南方面を望むと笠ヶ岳から抜戸岳が雲の上に浮いていた。
ガスが抜けると朝日が眩しく、目を細めて初めての景色を眺めながら稜線漫歩。
三俣蓮華岳・三俣山荘・黒部五郎小舎の分岐となる、2661m地点にある巻き道分岐点に到着。ここからは北斜面の岩場の道をトラバースして三俣山荘に向かう。
ヨツバシオガマ。分岐から三俣山荘までは北斜面で雪解けも遅いのか、高山植物がまだ咲き残っていた。
ハクサンボウフウ。
ダイモンジソウ。
トラバース道を抜けて三俣山荘も近くなると、斜面に雪がまだ残っていた。雪の欠片を火照った顔に当てて冷やしながら進むと三俣山荘のテントサイトを通過。
沢山のテントの脇を通過すると三俣山荘に到着。小屋前には沢山の登山者が休憩しており、ここで朝食べ残した海苔弁を食べたりして30分程休憩する。建物内にあるトイレを借りて戻ろうとすると、壁に大好きな黒部の山賊関連の張り紙があり、食い付いてみて楽しませてもらった。
たっぷりと30分も休憩したら、鷲羽岳に向かう。日差しが強くて肌がジリジリしており、キツイ登りになりそうだ。
少し登った箇所から後ろを振り返って三俣山荘を撮影。ここにテントを張って起点とし、カメラを片手に周囲の山々の展望や花の写真をゆっくり撮影するのが夢であるが、そんな事が出来るのは引退してからだろう。その頃には益々体力も無くなって、テント泊どころか日帰りの山でもキツクなっているような気がする・・・。
標高が上がると三俣蓮華岳と並んで黒部五郎岳も顔を出しており、見事な景色だった。
キツかったが、イワツメクサを撮影しながら休憩して、ついに今回の目的である鷲羽岳に到着。12年振りの山頂からは槍穂連峰、黒部五郎岳、薬師岳、水晶岳、遥か遠くに白馬岳も見える大パノラマが広がっており、すかさずパノラマ写真撮影を開始。するのだが、人が多い!人が多くて山頂の証拠写真も他の登山者の記念写真撮影中の構図となってしまった(笑)。
黒部五郎岳。
裏銀座縦走路。
鷲羽池と硫黄尾根とその先に槍穂連峰。
鷲羽池をズームで。いつかこの池のほとりから鷲羽岳を撮影してみたい。
混んでいる山頂では他の登山者に遠慮してパパっと1カットだけパノラマ写真を撮影するのだが、今回は思い入れのある山頂なので後悔しないように4カットも撮影。飽きる程写真を撮影したら、雲ノ平へ向けて出発する。少し歩くと5歳位の女の子を連れた父子ペアに追い付き、自分は花を見つける度に写真を撮るので歩くペースが丁度同じ位になり、ワリモ北分岐までは同じペースで歩いていく。
コゴメグサ。
ワリモ岳付近は道幅が狭く、鷲羽岳に向かう結構な人数の登山者がいて軽く渋滞していた。ワリモ岳の巻き道でパノラマ写真を撮影。
ワリモ岳から軽く一下りでワリモ北分岐。時間はまだ10時なので水晶岳に向かってもよいのだが、雲ノ平のテント場の混雑具合も気になるのと、水晶岳は過去に2度晴れの山頂に立っているので、今回は寄らずに岩苔乗越に向かう事にした。
岩苔乗越への下り途中で祖父岳を撮影。この頃から雲がやってきて、既に黒部五郎岳は雲に包まれていた。
薬師岳と水晶岳。手前の斜面にウサギギクが沢山咲いていて、中々よい場所だった。
岩苔乗越でのパノラマ写真を1カット撮影し、休憩せずにそのまま祖父岳に向かう。
イワギキョウとウサギギク。
大好きなハクサンフウロも見られてよかった。
ミヤマホツツジ。
岩苔乗越から祖父岳の間は12年振りに歩くのだが、完璧に登山道の雰囲気は記憶から消えており、新鮮だった。
祖父岳付近から薬師岳を撮影。眼下には雲ノ平キャンプ場と、だいぶ先に雲ノ平山荘が見えた。これだけ距離が離れていると移動も大変なので、山荘で山バッジなどを買い忘れないように注意が必要だ。
だだっ広い山頂の祖父岳に到着。祖父岳の山頂からは水晶岳が見事だ。周囲の山頂は殆ど雲の中だが、水晶岳と鷲羽岳は何とか山頂が見えており、急いでパノラマ写真を撮影した。
トウヤクリンドウ。1日目の記録で開いたものは見かけなかったとか書いておきながら、ちゃんと開いているのも撮影していたようだ。ハエが邪魔~。
祖父岳で20分程休憩したら雲ノ平へ向けて下る。祖父岳から雲ノ平の間は、祖父岳が火山というのもあり、大きな岩がゴロゴロしており、所々にケルンが積み重ねてあった。
斜度が無くなると祖父岳分岐に到着。ここから先は傾斜も緩く、木道も整備されている箇所も多いので楽々歩ける。
12年前に雲ノ平に来た際に、祖母岳とスイス庭園に寄らなかった事をずっと後悔していたので、今回はスイス庭園に寄ってみた。どの辺がスイスなのかよく分からないが、チングルマが咲く季節にここに来れば素晴らしい庭園になるだろうなと思った。スイス庭園からは眼下に高天原が広がっており、水晶池に高天原山荘も見えた。高天原には一度行ってみたいと思っているが、自分は小屋が混んで1畳に3人とかの状況で泊まる事は絶対にあり得ないので、いつ来られるのだろうか・・・。
スイス庭園から平らな木道を進み、雷岩付近の分岐を下ると雲ノ平キャンプ場に到着。到着した12時台で既にテント場は混雑しており、水晶岳に寄らなくて正解だったかもしれない。何とか1人用テントが張れる平らな場所を見つけてテントを張り、テントに荷物を放り込んで山荘に買い物に向かう。
キャンプ場からは、ヤマレコのヤマプラによると約900mでコースタイムは25分であり中々遠かった。
カメラ片手に空身なので25分もかからずに雲ノ平山荘。山荘で山バッジとジュースを買っていると、途中から一緒に山荘に向かって歩いていた男性に水歩荷について教えて貰う。どうやら水不足であり、キャンプ場にある水場で20Lの水を汲んで歩荷すると山バッジか500円割引券のどちらかが貰えるそうだ。教えてくれた男性は歩荷すると言ってポリタンクが括り付けられた背負子を背負ってキャンプ場に向かったが、自分は山バッジを買ったばかりなので遠慮しておいた。
山荘からキャンプ場に戻ったら、水場で洗濯タイム。その後はテント内で本を読んだり花を撮影したりしてのんびり過ごす。早い時間にテントを張って夕方までのんびり過ごすのは最高だ。夕方になったら「ガスが抜けて夕焼けでも見えないかな」と思い、雷岩付近まで移動してガスが抜けるのを待つが、赤くはなったがガスは抜けず残念だ。
お菓子を食べ過ぎて食欲がないので、晩御飯は五目御飯の素でもち米を炊いて作った五目おこわのみ。4泊5日分の食材をたんまり持ってきているが、軽いお菓子類しか減らず、ザックが全然軽くならず困ってしまう。縦走中に満天の星空でも見られたらいいなと思っていたが、昨日に引き続き夜はガス・・・。日が暮れたらやる事もないので歯を磨いてすぐに寝た。