行程
新倉ヘリポート下(6:02)→田代発電所入口(6:51/7:03)→保利沢小屋(9:23/9:35)→保利沢ダム(9:47)→保利沢小屋(10:02)→出合(11:05/11:50)→水場(13:02/13:17)→伝付峠(13:25)→トラバース道南端(15:57)
行動時間計:9時間55分(休憩含)
地図
1日目の記録
山友のちいさんから「11月三連休の予定は?」とLINEがあり、調整の結果「新島々~徳本峠」のクラシックルートに決定。しかし直前で三連休の中日の天気が冬型の気圧配置で雪の予報に…。三連休の初日の朝に南アルプスのクラシックルート「伝付峠~笊ヶ岳」を提案したら興味を持ってくれて即決で確定。笊ヶ岳は過去に2回登っているが、まともに展望を望めていないので3度目の正直を期待して笊ヶ岳に挑む事となった。
三連休初日の夜に笊ヶ岳の登山口がある老平に集合。笊ヶ岳の登山口に自分の車をデポしてカッチン&ちいさんの車で早川町の公園に移動。おでんを食べながら軽く前夜祭を行い、翌朝に備えて早めに寝た。
翌朝は4時45分起床。車中泊の片付けも順調に済み、5時半頃に新倉のヘリポート下のスペースに車を停め、スタートする。数年前に登った時はヘリポートがある空き地の端に車を停めたが、今はリニア関係の工事の資材置き場となっており、車を停めてよい雰囲気ではなくなっていた。ヘリポートを過ぎた先の橋を渡って、暫く車道を登っていく。
車道を登っていくと、トンネルの出口が見えた。こんな所にトンネルの出口?と思って調べてみたら、このトンネルは非常口のようだ。
ズボンの尻が濡れる程大汗をかいて車道を登り詰めると、田代発電所上に架かる橋に到着。橋の上からは砂防ダムの先に紅葉が見えて綺麗だった。
橋を渡った先でザックを降ろして休憩。ここからは山道歩きとなる。
建設会社の車が4台停まっていたが、よく考えたら車二台で来ているので、ここまで車で来てもよかった事に今更ながら気付いて少し後悔。
河原沿いを多い位に取り付けられたピンクテープや石へのペンキに案内されて進んでいくと、右岸にショベルカーとドラム缶が土石流に埋もれていた。中々危険な工事現場だ。
ショベルカーが埋もれた箇所から少し進み、左岸に渡って尾根に取り付く。前回もここを登ったが今回歩いた行程ではここが一番急だった。
たまには上を眺めて紅葉も堪能。木々の合間から富士山も見えた。
既設のロープや黄色いビニールに覆われた太い番線を掴んで激登を登っていくと、視界が開けて昔の林業用の小屋跡?に到着。ここまで約2時間歩いたので、ここで座ってパンを食べた。
小屋跡からは、勿体ないが一度河原沿いまで下り、右岸から左岸に渡る。細い丸太が二本だけ置かれた橋もあり、少し緊張して渡った。
暫くは崖下沿いの道を行き、崩落が凄いのかひん曲がった鉄の橋や足置きの板がグラグラする木の橋を渡って進む。
視界が開けて、東京電力管理の保利沢小屋に到着。以前来た時は人工物は鍵が掛かった保利沢小屋だけであったが、プレハブやトイレが沢山あって少し驚いた。実は登り口にあったトンネルの出口がこの辺りにあって、資材を運んだのかと思ったらトンネルなんてどこにもなかった。どうやら全てヘリで運んだようだ。
小屋前での休憩を終え、出合に向かったつもりが保利沢ダムに向かってしまい、往復約30分のロス。先頭をカッチンに代わってもらっていたが、前回歩いているのに気付けず申し訳なかった。でも、ダム好きなのでダムを見られてよかった。
保利沢小屋に再び戻って、小屋の裏手にある道を登る。
保利沢小屋から出合の間は、木々にピンクや青色のテープが沢山取り付けられており、登山道も崩落している個所が多くてどれが正規ルートか判断するのが難しい。進む方向だけは間違っていないので、各自足を置きやすい歩きやすい斜面を見つけて登っていく。登山道を進んでいくと、肩にチェーンソーを担いだ建設会社の方とすれ違う。これで謎のプレハブの意味が分かり、東京電力から委託されて下流の水力発電所に供給する水路の維持管理を行っているようだ。
暫く行くと小滝に行き詰まり、手前の沢沿いを作業員がショベルカーで平らに均していたが、我々三人には見向きもせずに黙々と作業しており少し異様だった。沢沿いを整地した結果、沢の幅が狭くなったのか水嵩が増しており、靴を脱いで渡渉。カッチン&ちいさんは初めて裸足で渡渉だそうで、こういった時は早く決断するに限る。自分が先行して渡渉した。(下の写真は渡ってから撮影。)
渡渉後は沢沿いをへつったりしながら標高を上げていき、出合に到着。これまで全身を使って登っているためか妙に腹が減り、ここで昼食。自分は日清 すきやき牛飯を食べたが、二回目は無いと思う味だった。カレーメシは美味いのに…。
出合を少し行くと、伝付峠へと続く標高差約500mの登りとなる。前回も思ったが、この登山道は足元が落ち葉などでフカフカで足に優しく、登山道もジグザグを切ってあり傾斜が抑えられているため非常に歩きやすい。途中でちいさんが、「今日は調子悪い…。」と嘆いていたが、3週間振りの登山で更に標高差300mを一度も足を止めずに登れているので「どこが調子悪いんですか!」と言っておいた。(笑)
伝付峠手前にある水場はパイプが詰まっているのか水がチョロチョロ。汲むのに時間がかかるので、手前の小さな沢で水を6L汲んで一気にザックが重くなった。
正規の水場付近のテントスペースにはゴミが散乱。ビニールとかプラスチックのゴミであり、大した重さじゃないのに何故持って帰らないのか…。
途中で、笹山から南下してきた男女ペアとすれ違い情報交換。こちらは今日は生木割山に泊まる事を伝えると、行き先は同じだった。後で書くが、我々は力尽きて手前で断念したが、足の速いこのペアは予定通り生木割山まで行ったようだ。伝付峠に到達したが、樹林帯で視界も悪く雨もパラついてきたので、そのまま左に折れて笊ヶ岳方面に進む。
元トイレ?の先は分岐となっており、右に進むと二軒小屋に下ってしまうので、左の笊ヶ岳方面への道を進む。
伝付峠からすぐの箇所に、好展望地があったが赤石岳・悪沢岳の稜線はガスっていたので写真を撮り忘れ。他はそんなに展望のよい所は現れず、樹林の合間からチラホラ見えるだけだった。
車が走れる程の広さの林道はすぐに終わり、あとは延々と続く樹林帯のトラバース道を行く。 正直あまり起伏のない道であれば何時間でも歩けると思っていたが、荷物が重いとそれも難しいようで段々キツくなってきた。
やっと視界が開けた箇所に出ても、稜線上はガスに覆われていて微妙な展望。明日は晴れの予報なので、展望は明日に期待して今日は早くテント張って休む事しか考えていなかった。
協議して、今日は15時半になったら終了と決めて歩いていたが、テント場が見つからず結局、天上小屋山手前のトラバース道南端に16時前に到着。何とかギリギリテントを張る場所を確保出来た。飯もろくに食べていないせいかとにかく寒くて、テントに入ったら暖かくて天国状態だった。テント内で落ち着いた後は「居酒屋ちい」の美味しいゆず塩鍋と唐揚げを食べて、疲れていたのか早めに宴会を終えて翌日に備えて21時頃に寝た。