日程・行程
2016年2月11日 晴れ
グラートクワッド下部(08:31)-八方池山荘(08:50/09:02)-第3ケルン(10:05)-唐松岳頂上山荘上部(12:31)-唐松岳(13:07/13:22)-唐松岳頂上山荘上部(13:35/13:45)-第3ケルン(15:03)-グラートクワッド上部(15:36)
記録
冬季は仕事が忙しくて山に行けないGTさんから、この時期には珍しくお誘いがあり、久し振りに雪山に登りたかったので快諾。お互い3か月程山に登っていないため、登る山は北八ヶ岳辺りと決めていたのだが、ヤマレコで2日前に快晴の唐松岳に登った記録を見つけてしまい、急に北八ヶ岳へのモチベーションは低下。GTさんに唐松岳を打診したところ、GTさんも冬季の唐松岳には興味あったようで、すんなりと唐松岳に決まった。お互いの体力レベルも分かっており、即断即決出来る仲間がいるというのはありがたい事だ。
東京某駅でGTさんをピックアップし、21時位に練馬ICを出発。白馬村中心部の手前にあるトイレ付きの休憩所「サンサンパーク白馬」に0:30頃に到着。昨日は久し振りの雪山装備のチェックに時間がかかって4時間程しか睡眠できなかったため、シュラフに入ると数分で気を失った。
6時起床。薄皮一枚のGTさんが寒そうにしていたので、気を使ってエンジンをかけて温風をMAXにしてからトイレに向かったつもりだが、戻ってきて確認したら何故か冷風MAXだったというのはナイショの話(笑)。ちなみに外気温は-13度だった。
朝食を食べ、八方尾根スキー場に向かっていると、目の前に赤く焼けた北アルプスが見えてきて大興奮。助手席のGTさんは写真を撮りまくって羨ましかった。自分が運転席から撮影した頃には朝焼けのピークは過ぎていてがっくり。
7時位に八方尾根スキー場に到着。スキー場手前の有料駐車場(600円)に車を停めて、7時半に駐車場を出発。駐車場から車道を少し歩くと、スキー場のチケット売り場があり、ここで「ゴンドラアダム」の往復チケット(1,780円)を買う。チケット売り場の係員から「ゴンドラアダムの上にある2つのリフトのうち、最上部のリフトは止まっている」「最上部の昨日の積雪量は150cm」の2点を教えて頂き、「今日は頂上までは難しいかな」と思いつつゴンドラアダムに乗り込む。「ゴンドラアダム」を降り、少しだけ歩いて「アルペンクワッド(往復600円)」に乗り、楽々と標高を稼いでいく。
8時頃に最後のリフトとなる「アルペンクワッド」に到着するが、リフト乗り場にはシャッターが降りており、沢山のスキー客と登山者で混雑していた。快晴で風も弱く、「暫くしたらリフトも動くだろう」と30分程待つが、8時半に係員が上からつぼ足で掛け降りてきて、「故障点検のため運行見合わせ」のお知らせが・・・。結局、パウダースノーを滑りたいスキー/スノボーの方々や登山者でリフトの下を歩いて登っていく事になり、皆で大移動が始まる。
美しい鹿島槍ヶ岳と五竜岳を眺めながら登っていく。
八方池山荘に到着すると右手が開けて白馬岳方面の展望が素晴らしい。ここで久し振りにスノーシューを履くが、履いてもすぐに踵のストラップが外れてしまい少し焦る。結局、つま先を前に置きすぎていた為にストラップが踵に引っかからず外れていた事が分かりホッとする。マジでここで敗退かと考えたので良かった。って初心者か。
スノーシューを履いて登りだすが、歩きにくくて仕方がない。やっぱりワカンにすればよかった。
第2ケルンを通過。八方尾根の前半は横幅が広い尾根歩きとなり、少し視界が悪い場合でもケルンを目安にして進んで行けるが、今日は快晴なので単なる被写体にしかならなかった。
第2ケルンから白馬三山。左から、白馬鑓ケ岳・杓子岳・白馬岳 。
八方ケルンを通過。このケルンはとぼけた人の顔に見えるのだが、写真を撮ってくるのを忘れた。夏なら幾らでも撮影するのだが、冬だといちいちグローブを脱いで、カメラバッグからカメラを取り出して、と面倒くさい。それに手も冷えるしレンズに雪が付いたら拭かないと・・・とやる事も多いので撮影意欲は少なめ。
第3ケルンに到着。ここで腹が鳴り、GTさんに食事タイムを要求。この辺りから尾根が少し細くなって谷底から吹き上げる風も強いため、少し先の樺帯で食事休憩とする。
樺帯の中は風も穏やかで、白湯に蒸しパン+豆大福を食べて休憩。休憩していると山スキーの方々が沢山この先の斜面からドロップインしている姿が見られた。
樺帯から上は斜度が急になる。コース的にはキツくはないのだが、既にこの辺りで疲れており、十歩歩いては止まって息を整えての繰り返しで体力的にはキツかった。
キツいが顔を左に向けると鹿島槍と五竜が見えるので何とか頑張れた。
シュカブラも見事だった。
風が強くなり、ゴーグルが大活躍だった。
唐松岳頂上山荘まであと一歩の痩せ尾根上で、GTさんはアイゼンにチェンジ。自分も交換しようと思ったが、スノーシューでも何とか登れそうなのでそのまま登る。先人のトレースのお陰でスノーシューで山荘手前のトラバースも無事通過すると、急に視界が広がり、目の前には白銀の姿の剣岳や立山など立山連峰の山々とご対面。正直、昨日からGTさんには何度も「頂上までは行けないかも」と弱音を吐いていたが、ここまでくれば這ってでも頂上まで登れそうな気がしてきた。写真撮影も程々にして山頂に向かう。
山荘裏の高台から少し下り、最低鞍部近くを歩いていると、右足のスノーシューが外れたのでここでアイゼンにチェンジ。どのみち下りはアイゼンで歩く事になるので丁度よかった。ここでGTさんが追い付き、アイゼンを履いている間にスタスタと山頂目掛けて登っていった。
アイゼンに履き替えて登りだすが、足が吊りそうになって5歩歩いては休憩の繰り返しでかなりキツかった。山頂で展望を満喫したであろうGTさんを含む5人の登山者と挨拶してすれ違い、夏のコースタイムの倍もかけてやっと登りきると360度の大パノラマが広がる唐松岳の山頂に到着。唐松岳の山頂からは立山連峰オールスターズに、目の前には五竜岳、遠くに槍ヶ岳に奥穂高岳、妙高山界隈、浅間山、更には八ヶ岳に富士山まで見える素晴らしい展望で、たまらずにザックから三脚を取り出してパノラマ写真を撮影。完璧に360度のパノラマ写真が撮影できるベストポイントには外人スキーヤー2名が常に立っていたのでそこでは撮影出来なかったが、外人スキーヤーは被写体としては格好が良いので中々絵になるパノラマ写真が撮影出来た。
左から薬師岳、立山、剱岳。
毛勝三山(猫又山、鎌谷山、毛勝山)が超格好良かった。
五竜岳。
左から剱岳と北方稜線、池ノ平山、池ノ平山の手前の尾根の右にあるのは坊主山。
左から噴煙を上げる焼山、火打山、妙高山。
遠くに八ヶ岳と富士山も見えた。
左から毛勝三山、サンナビキ山、越中駒ヶ岳。遠くに海岸線も見えた。
白馬岳方面も見えるが、この角度から見ると何だかよく分からない感じ。恐ろしい雪の付き方をしていて、「こんな所をスキーで滑る人が本当にいるのか?」と思ったが、家に帰ってパノラマ写真で稜線上をズームして辿っていくと、2人の山スキーヤーが写っていてびっくりポンだった。
唐松岳のパノラマ写真を見る-1|唐松岳のパノラマ写真を見る-2
八方尾根上よりは風が無いが、あまりGTさんを待たせるのも悪いと思い、パノラマ撮影を終えたらすぐに下山。最低鞍部までの下りは楽々だったが、山荘裏の高台までは少し登り返しがあって、もうやめて・・・という感じだった。高台に辿りつきGTさんと合流し、甘栗を白湯で流し込んだら本格的に下山する。下山時は太陽の位置が変わって白馬岳方面の斜面に陰影が付き、より険しさが際立つ被写体になっていた。
自分と同じく3ヶ月も山に登っていなくてもGTさんは足が軽い。同じく下山中の登山者をごぼう抜きで下っていきすぐに見えなくなってしまう。
尾根の中腹で雪が完全に風で飛ばされて地面が見えている箇所があり、ここでパノラマ写真を撮影。雪が無いので三脚もバッチリ固定でき、五竜岳、唐松岳、不帰嶮、天狗ノ頭、白馬三山などが一望出来る中々良いパノラマ写真が撮影出来た。
シュカブラと白馬岳方面。
五竜岳側の斜面には沢山のシュプールが刻まれていた。自分もこんな所を滑れるのはいつの日になったら来るのか。その前に年取って山すら登れなくなるような・・・。
第3ケルンと八方池、白馬岳方面。
最上部のリフト「グラートクワッド」に到着すると、係員から「乗りますかー?、あと4分です。」と言われ、ダッシュしてリフトに乗り込む。途中でドリップコーヒーを飲むくらい余裕をかまして休憩していたのだが、それどころではなかったようだ。
リフトを降りてから300円を支払い、再びアルペンクワッド、ゴンドラアダムと乗り継ぐ。リフトやゴンドラから快晴の下スキーを楽しむスキー客を眺めながら、GTさんと今日一日を振り返り話して無事下山。
下山後は、小川村にある「小川の湯(300円)」の熱い温泉で冷えた体を温めなおしてから帰った。