2日目の記録
04:24 朝焼け
03:30に起床。まだ寝ている方もいるので静かに朝食のカロリーメイトを食べ、ザックに荷物を詰めて外に出る。04:00に出発予定であったが小屋の広場から朝焼けに染まる空を見ていると何だか勿体無い気がしたため、ストレッチをしながら朝焼けを楽しむ。
04:33 鳥原小屋を出発
もう少しで太陽が地平線から顔を出しそうなのだが、待っているといつまでたっても出発出来ないので、見送りに来てくれた管理人さんにお礼を言って、鳥原小屋を出発。
05:18 鳥原山
鳥原山に到着すると、朝日にほんのりと染まる小朝日岳と大朝日岳の展望が素晴らしい。鳥原山の山頂は360度の展望が利くのだが、水分の多い夏の空気のせいか、遠くまでは見渡せなかった。
05:28
鳥原山を一旦下って、緩やかな尾根を登り返す。
05:49 野イチゴ
登山道の脇に生えている真っ赤な実に目が行き、見てみると野イチゴであった。食べてみると少し酸っぱいが美味い。イチゴは大好物なので、付近に生えていた野イチゴをあらかた食べてから先に進む(笑)。ちなみに来年のためにイチゴの種は幾つか吐き出しておきました。
05:52
水による浸食なのか登山者による浸食なのか分からないが、地肌が露出してえぐれている箇所が幾つかあった。
06:18 小朝日岳
小朝日岳に到着。小朝日岳の山頂からは更に大朝日岳が近付き、あの頂からどんなパノラマが待っているのか凄く楽みなのだが、この先一旦下って登り返さないといけないので少しがっくり。この山頂も鳥原山と同様に360度の展望が利き、最高の展望だった。
06:43 分岐
小朝日岳から標高差で約150m程下ると、古寺山方面への分岐に到着。
07:00
古寺山との分岐から少し下ると熊越の最低鞍部に到達し、最低鞍部からはひたすら大朝日岳への登りが続く。ただ、常に目標物が見えており、歩けば歩くだけ山頂が近付くので(当たり前だが)そんなに辛くはない。大朝日岳の素晴らしい山容を写真に収めながら、大朝日岳に向かう。
07:32 銀玉水
尾根を歩いていると、銀玉水の水場を示す案内板があり、尾根から少し下るとすぐに銀玉水の水場だ。ギラギラと照りつける太陽の日差しで非常に暑かったのだが、この水場でそれも解消。水量は少ないが非常に冷たい水であり、一気に体温が冷えてリフレッシュ。誰も来ないのでここで上半身裸になって頭や体を拭いたりしたのだが、余りにも冷たすぎて皮膚が痛い位だった。ちなみに味はどうなのかというと、味音痴のため余り美味い不味いは言わない僕でも、この水は非常に美味いと感じた。銀玉水手前から同じペースで歩いていたヒマラヤ登山経験ありのおじさんに、「美味しいので飲んでいったらどうですか」と言うが、「日本で一番美味い水は蔵王の水だ!」といい、先に行ってしまった。蔵王の水はそんなに美味いのか?今度行ったら飲んでみる事にしよう。
08:14 霊山朝日岳神社奥宮
歩いていて気持ちのよい尾根道を登りきると、ザレた平坦な箇所に出る。付近には「霊山朝日岳神社奥宮」を示す案内板があり、行ってみたが石が詰まれただけ小さな祠があり、何とも質素な奥宮だった。
08:16 ミヤマリンドウとタカネマツムシソウ
あと少しで小屋なのだが、この辺りから「ミヤマリンドウ」や「タカネマツムシソウ」が咲いており、小屋に行くどころではなく、写真を撮りまくる。
08:26 大朝日小屋
大朝日小屋に到着すると、付近にはクルマユリ・タカネマツムシソウ・ミヤマリンドウ・ミヤマシシウド・タカネナデシコなどが咲く見事なお花畑が広がり、ヒマラヤ経験ありのおじさんは「見事見事、いや~素晴らしい!」と連発していた。山頂から降りてきた若い男性とこのおじさんの3人で花を楽しんでいたのだが、おじさんが「いや、こんなに見事に花が群生するわけはない、小屋の管理人が植えたんじゃないか?」と言い出したので、若い男性と二人で「現実を受け入れてくださいよ~」となだめるのに苦労した。でもそれ位見事なお花畑だったのだ。
ミヤマシシウドと、西朝日岳方面。
クルマユリ・ミヤマシシウド・タカネナデシコと、大朝日岳。
初めてみたタカネナデシコ。
09:00 大朝日岳
大朝日小屋前のお花畑で花を楽しんだ後は、小屋にザックをデポして、カメラと三脚のみ持って山頂に向かう。到着した山頂からは、飯豊連峰・磐梯山・吾妻連峰・蔵王山・月山・朝日連峰を代表する各山々の展望が素晴らしく、もうたまらない展望だった。山頂に到着した時間もよく、太陽が完全に上がってフレームから外れているし、納得がいくパノラマ写真が撮影できた。ただ一つ欲を言えば、ヒマラヤ経験ありのおじさんが思い切り写りこんでいるのが残念だった。人気の山域の山頂だから仕方がないけど。山頂には3人程先客がおり、何度もこの山頂に立っているという地元の登山者の男性からは、大朝日岳から見える各山々の説明をして頂き、非常に助かった。
大朝日岳のパノラマ写真を見る1|大朝日岳のパノラマ写真を見る2
大朝日岳のパノラマ写真を見る3|大朝日岳のパノラマ写真を見る4
左奥が吾妻連峰、右奥が磐梯山。
奥に見えるのは蔵王山。
未だに雪が残る月山。
飯豊連峰もバッチリ見えた。
山頂ではセミ(コエゾゼミ)にも会えた。
09:44 西朝日岳に向かう
大朝日岳の山頂で写真を撮りまくってから大朝日小屋に戻り、昼食を食べてから西朝日岳に向かおうとすると、小屋前の広場でこれから僕が向かう登山道の斜面を見て「あれって熊だよね」「あの黒いのは熊だよね」などと登山者が数名騒いでいた。300mmの望遠レンズで見てみると、単に光の加減で岩の陰が真っ黒になっているだけであり(多分)、無視してそのまま進む。大朝日小屋から西朝日岳方面に少し下った箇所は、タカネマツムシソウの群生地で、沢山咲きに咲きまくっていた。
09:53 遠くに金玉水の水場
遠くに金玉水の水場があり、登山者が水を汲んでいる姿が見えた。銀玉水で汲んだ水が余っているので、見学しに行かずにそのまま通り過ぎる。
10:02 中朝日岳付近から大朝日岳を望む
中朝日岳を巻く手前で後ろを振り向くと、また違った山容の大朝日岳を望む事ができた。ちなみにこの地点の裏手の斜面が、大朝日小屋で登山者が騒いでいた熊と思われる黒い影のエリアなのだが、黒い影の正体が単なる岩陰だとは分かっていても何だかやっぱり怖くなり、足早にこのエリアを通り過ぎる。何ともケツの穴の小さい男である。
10:31 深山
尾根と谷の連続、その先に飯豊連峰。山が深すぎる程に深い。こういうエリアを僕の苗字と同じ漢字の「深山」と言うのだろうな。
10:36
まもなく、西朝日岳。西朝日岳にかかる雲が印象的だった。
10:57 西朝日岳
西朝日岳に到着。朝よりは雲が湧いてきたが、それでもまだまだ飯豊山まで見える大展望が広がっていた。鳥原山、小朝日岳、大朝日岳、西朝日岳とピークを繋いできたが、ピークに人がいたのは大朝日岳(たったの3人)だけで、このピークも一人で独占。パノラマ写真撮影者にとっては、何ともありがたい好条件だ。
南アルプスや北アルプスにも負けない程のダイナミックな景色、そして咲き誇る高山植物。昨年歩いた飯豊連峰もそうであったが、この朝日連峰も本当に素晴らしい山域だ。
11:20
ミヤマアキノキリンソウの黄色い花が沢山咲いており、花を楽しみながら、竜門小屋に向かう。
11:57 竜門山
竜門山とは何と良い名前だろうと展望を楽しみにしていたのだが、山頂付近には立ち木があって、手前の稜線上からの展望のほうが優れていた。微妙なのでパノラマ写真は撮影せずに、そのまま竜門小屋に下る。
12:06 竜門小屋
竜門山から一下りで、竜門小屋に到着。この小屋も比較的新しく、朝日連峰の山小屋はどれも綺麗だ。ちょうど昼なので、小屋前の休憩所にザックを降ろして大休止。この時間で既にこの小屋に宿泊を希望する登山者もいて、時間に余裕がある登山者が羨ましい。とは言っても僕も1日予備日があるのだが、こんな天気の良い日に歩かないのは勿体無いのでもう少し頑張る事にする。ここで1時間程食事をしたり日向ぼっこして寝転んだりしていたのだが、都会の喧騒とは全く逆であり非常にリラックスできた。やっぱ山はいいなー。
非常に綺麗な竜門小屋。
竜門小屋の前にある水場。キンキンに冷えていて、美味かった。
13:04
竜門小屋で休憩した1時間の間にシャツや靴下を水場で洗って干していたのだが、カラッカラに乾いていて気持ちが良い。今度は寒江山を目指して気持ちの良い斜面を登る。
13:39 南寒江山
竜門小屋から30分程登ると、南寒江山に到着。広い山頂には三角点と小さなケルンがあり、この山頂も360度の大展望が広がっていた。
13:51 寒江山
南寒江山から少し下って再び登り返すと、今度は寒江山に到着。寒江山は大朝日岳と以東岳の丁度中間地点であり、大朝日岳も以東岳も遥か遠くに見えた。
今回の山行で一番印象深い景色が、寒江山から見た相模山。長い年月により浸食されてできた谷と尾根が物凄く堅牢な山容だ。
14:30 北寒江山
寒江山から下って再び登り返すと、今度は北寒江山に到着。北寒江山からは、以東岳の展望が素晴らしい。
三方池も見えた。
14:40 三方境
北寒江山を下ると、三方境の三叉路に到着。北西に進むと狐穴小屋経由で以東岳、北東に進むと高松峰や天狗角力取山方面、南に進むと寒江山と竜門小屋経由で大朝日岳方面だ。今日は頑張って以東岳に向かおうか、狐穴小屋に泊まろうか迷いながら、狐穴小屋に下る。
15:00 狐穴小屋
三方境から下ると木道が現れ、木道を下りきると狐穴小屋に到着。明日は既に新幹線のチケットを買ってしまっている事もあり、泡滝ダム発9:35と10:55のバスのどちらかに乗らないといけないのだが、9:35発だと今日中に以東小屋に行かないと明日の行程が辛いし、10:55発だと今日はこの狐穴小屋に泊まって今日も明日も行程が楽だが、下山後に風呂に入れないのが辛い。そんなんで小屋の管理人と「どうしたもんかね~」と二人で悩むが、「明日は早出すればいいや」という事で今日はこの狐穴小屋に泊まる事にした。狐穴小屋は最近建てられたばかりなのか、非常に綺麗な小屋であり、登山者も僅か10数人しか泊まらず広々と使えて快適だった。
管理人が「風呂入る?」というので、案内してもらった小屋から少し離れたところにある「水風呂」。勿論浸かれるわけはないが、パンツ一丁になって水で濡らしたタオルで体を水拭きして、リフレッシュできた。この水風呂は2箇所あるそうだが、奥の水風呂は男女ペアが使っていたので、見学はできなかった。
18:42 鳥海山?
昼寝して起きたら日暮れが近く、慌てて外に出てみると、昼には見えていなかった鳥海山らしき山が見えていた。鳥海山だろうか?天気予報では明日も晴れであり、以東岳からの展望が楽しみだ。