登山記録 甲信越 北アルプス(後立山)

白馬三山縦走(2004年7月31日-8月1日)

日程・行程

7月31日(土)
国分寺駅-白馬駅-栂池高原-栂池自然園-天狗原-乗鞍岳-白馬大池山荘-三国境-白馬岳-白馬山荘-頂上宿舎(テント泊)

8月1日(日)
頂上宿舎-白馬岳-頂上宿舎-杓子岳-鑓ヶ岳-鑓温泉-猿倉-白馬駅-国分寺駅

1日目の記録

5:44 白馬駅

夜行列車のムーンライト信州に乗り、早朝に白馬駅に到着。前回ムーンライト信州に乗った際に背もたれが倒れず寝るのに苦労した教訓からエアー枕を用意したところ、寝違いを起こすこともなく朝を迎える事ができた。駅前ではタクシーの運転手が客引きをしまくっていたのだが、バスで行っても大して時間的には変わらないので、バスを利用して栂池高原に向かう。

6:30 栂池高原ゴンドラリフト

栂池高原でゴンドラに乗り、文明の力を借りて標高を稼ぐ。

7:41 白馬三山が見える

栂池自然園の売店で白馬三山が写っているパノラマ写真が売っており、構図が素晴らしいのでパノラマ写真の撮影地点を探してみたのだが見つからなかった。恐らく藪こぎでもしない限り撮影場所には辿り着けないのだろう。

8:02 天狗原

木道を歩いていくと若干の湿地帯がある天狗原に到着。尾瀬のような大湿原ではなく何とも微妙な湿原だった。

天狗原のパノラマ写真を見る

8:37 雪田の横断

さすが高山だけあってまだまだ残雪が豊富であり、雪田を横断して乗鞍岳への道を進む。僅かな横断なので、軽アイゼンを付ける程ではなく、慎重に歩けば問題なかった。

8:49 雷鳥

ガスが出始めたので雷鳥に出会える予感がすると、遠くに雷鳥を見つけた。ハイマツに逃げる一歩手前で16倍のデジタルズームを使って何とか撮影する事が出来た。お尻しか写っていないが、何とも愛らしい。

8:51 乗鞍岳山頂

山頂という感じはしないが、大きなケルンのある乗鞍岳に到着。

9:10 白馬大池山荘

山にいるのに波の音が聞こえ始め、目の前のガスが抜けると、そこは白馬大池だった。湖畔に洗剤の泡のようなものが浮いていたのだが、あれは何だったのだろうか。

10:27 雷鳥坂

雷鳥坂と言う位だから、雷鳥との出会いを期待するが、どこにも雷鳥はいない。雷鳥には出会えなかったが、歩いていて気持ちの良い稜線だった。

雷鳥坂のパノラマ写真を見る 

11:58 三国境

新潟・富山・長野県の境界線の三国境に到着。二百名山の雪倉岳へ向かう方々と暫し山話をして、先へ進む。

13:00 白馬岳山頂

白馬岳の山頂に到着するもガスっていて何も見えなかった。これで、3週に渡って山頂でガスガスだ。雨が降らないだけマシなのだが、ラジオで「明日は晴れ」と予報しているのを聞いて、明日に期待をかける。前回の登山でガスは簡単に取れるものではない事が分かったのだが、やっぱり意味無く山頂で「晴れるのでは」と期待して待つが、やっぱりガスは簡単に取れず諦めて白馬山荘へと下る。

13:29 白馬山荘

宿泊定員1,500人で日本最大の山小屋である白馬山荘に到着。それにしてもこんなに山奥なのに1,500人も宿泊出来るとは凄い。いやらしいが、宿泊費8,900円×1,500人=13,350,000円であり、生ビールやジュース等の小売に関しても×1,500人となるので、1日で動く金も物凄いのだろうなと思った。

白馬岳頂上宿舎テント場

天気が良ければ明日もう一度白馬岳に登りたいので、山頂に近い白馬山荘にテントを張りたかったのだが、白馬山荘にはテント場が無い。今日は白馬山荘を少し下った所にある村営頂上宿舎のテント場で一夜を過ごす事にする。白馬岳頂上宿舎は白馬山荘よりも宿泊人数が劣るがそれでも定員が1,000人で日本で3番目に大きな山小屋だそうだ。白馬山荘に比べると人の数が少ないように見えるが、それでも結構な宿泊者で賑わっていた。テントを張って横になっているとそのまま寝てしまい、暗くなってから慌てて晩御飯を食べて明日に備えて早めに寝た。

2日目の記録

4:50 白馬岳山頂

夜明け前の4時にテントを出ると星空が広がっており、山頂からのパノラマに期待がかかる。朝飯も食べずにカメラと三脚だけを持って再度白馬岳の山頂へ向かう。白馬岳の山頂からは360度のパノラマは勿論素晴らしいが、モルゲンロートに包まれた剱岳が素晴らしく、何度も何度もシャッターを切った。

白馬岳山頂付近のパノラマ写真を見る1白馬岳山頂付近のパノラマ写真を見る2 

白馬岳のパノラマ写真を見る1白馬岳のパノラマ写真を見る2

白馬岳山頂付近のパノラマ写真を見る3白馬山荘のパノラマ写真を見る 

6:55 杓子岳に向かう

白馬岳山頂での撮影タイムを終え、頂上宿舎のテント場に戻りテントを撤収して今度は杓子岳に向かう。途中の丸山の展望所では単独のカメラマンがおり、ファインダー越しに山の一部を切り取る姿が格好良く見えた。

丸山のパノラマ写真を見る

7:50 杓子岳山頂

巻き道もあり、杓子岳に登らなくても先に進めたのだが、それでは白馬三山を制覇したことにはならないのでガレ場の急登を登る。杓子岳の山頂からは白馬岳と立山連峰の展望が最高で、長野県側の雲海のシチュエーションのおかげで、白馬岳よりも良いパノラマ写真を撮影する事が出来た。

杓子岳のパノラマ写真を見る

08:52 白馬鑓ヶ岳山頂

杓子岳から少し行くと鑓ヶ岳山頂に到達し、これで白馬三山制覇だ。杓子岳同様、鑓ヶ岳は立山連峰に後立山連峰の最高の展望所だ。遠くにうっすらだが槍ヶ岳も見えており、休みと時間さえあればこのまま後立山連峰を縦走したい位だった。

白馬鑓ヶ岳のパノラマ写真を見る

11:00 鑓温泉小屋

鑓ヶ岳で展望を満喫後は猿倉山荘まで一気に下山。下山途中で通過した鑓温泉手前の登山道は岩盤の上に水が流れており、滑るので注意が必要だった。そんな登山道なのに、20人もの山慣れしていないツアー登山者が前にいるもんだから、渋滞して大迷惑だった。そもそもガイドは一人しかおらず先頭におり、後方の渋滞などには目もくれない。山は自己責任とかよく言うが、人間何かあったら金を払っている以上、金をキーワードにガイドに文句を言うに違いない。ガイドを2人にすると利益が減るのは当たり前だがリスク管理しないと何かあった時に痛い目に合うのは自分なのになぁ、とか心で思っているうちに鑓温泉に到着。鑓温泉は温泉だけあって辺り一面湯気で覆われていた。風呂に入ってさっぱりしても、これから猿倉までの下山で汗だくになるだろうから、入るのは諦めて先に進む。

11:11 足湯

鑓温泉を下るとすぐに「標高日本一かな?」と書かれた足湯を発見。汗で靴下も濡れていたので、新しい物に取り替えるついでに足湯に浸かってみた。足湯に浸ると血行が良くなったのか、何だか足裏の疲れが取れたような気がして、下山まで快適に歩く事が出来た。

11:30 花と雪渓

鑓温泉を過ぎるとアーチ状になった雪渓があり、その下を雪解け水が流れていた。登山道ではないので問題無いが、この間のニュースでアーチ状の雪渓の真上に立って事故を起こしたパーティーがいたので、気を付けたいものだ。

杓子沢のパノラマ写真を見る

11:41 辺り一面お花畑

花の名前は分からないが、辺り一面小さな黄色い花が咲き乱れていた。

キヌガサソウ

あまりにもこの花の名前が気になったので、近くで休憩していた人に尋ねると「キヌガサソウだよ~」と教えてくれた。今まで高山植物を見ても余り興味が無かったのだが、何故かこの花には惹かれてしまった。

アサギマダラ

季節による長距離移動(渡り)をするアサギマダラを目撃。こんな小さな体で台湾から鹿児島まで渡ってしまうのだから、凄いもんだ。

14:17 猿倉荘

ゆっくりと高山植物や昆虫の写真を撮影しながら下ると猿倉荘に到着。山荘でスイカを二切れ購入して高速で食べていると視線を感じ、小さな子供が羨ましそうに僕をじーっと見ていた。「食べる?」と聞くと、親が「余計な事しないで下さい」とでも言わんばかりに子供を連れて山荘を去っていった。「知らない人から物を貰ってはいけません」とよく言われるが、何だか悲しくなった・・・。

1日目はガスガスだったが、2日目はついに北アルプスの展望を望む事が出来たので最高だ。正直あんなに素晴らしい展望を見てしまうと展望のスケールが違う低山に足が向かなくなってしまう。低山にも低山の良い所はあるのだろうが、今の僕は山にはまり求めているものが「大展望」なので、今年の登山シーズンはまだ見ぬ大展望を眺めにアルプスの山々に通う事にしよう。

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