行程
将監小屋(05:49)→将監峠(05:55)→山の神土(06:14)→西仙波(07:07)→東仙波(07:26)→川又分岐(08:31)→水場分岐(08:39)→二瀬分岐(08:44)→和名倉山(09:00/09:31)→二瀬分岐(09:42)→造林小屋跡(10:55)→反射板跡(11:45/12:26)→埼大山寮(13:19)→秩父湖駐車スペース(13:32)
記録
4時半頃に早出の方々のテントを撤収する音で起きる。朝飯は昨日のうちに作っておいた、ぶっかけおかず生姜をまぶしたおにぎりを食べ、テントを撤収して6時前に出発する。
小屋から見える笹原の中の急な道を6分程登ると将監峠。正面に今日歩く和名倉山方面の山々が見えており、そんなに起伏の激しいエリアではないように見えるので、ほっと一安心する。
途中で遭難碑を右に見て進むと、笠取山と和名倉山の分岐となる山の神土に到着。神土ってなんだ?
山の神土から和名倉山方面へと続く道に入ると、登山道は藪っぽくなるが、地肌は露出しており、赤テープもポイントに十分過ぎる程貼ってあるので不安感なく進めた。
山と高原地図に記載の水場。小さな沢のような感じの水場だった。
水場を過ぎて視界が開けると、目の前には笹原の景観が広がり美しい。「何か見た事ある景色だなぁ」と思ったら、大好きな南アルプス深南部の景色にそっくりなのであった。
途中の尾根上から、西仙波や東仙波方面の稜線が見えた。
笹原の気持ちよい道を歩いていくと目の前に大きなピークが立ちはだかるが、西側にちゃんと巻き道があり、やさしい~。
やさしいトラバース道から少し進むとアセビが咲いていた。ここで後ろから物凄い勢いで単独行の男性が登ってくる気配があり、アセビの写真を撮りつつ男性に挨拶して先に行ってもらった。
山と高原地図に記載のシャクナゲの群生地を通過。今回は全体的に花が少なく、山頂部はまだまだ新緑も進んでいないため、花も新緑も両方楽しむなら5月下旬から6月上旬がよいなと思った。
シャクナゲロードを過ぎると視界が少し開けて、西仙波に到着。先行していた男性(たけさん)が写真を撮っており、ここからは、たけさんと一緒に話をしながら和名倉山を目指す事となった。
西仙波を過ぎると、尾根上はオープンになり、中々良いパノラマが広がっていたので360度ぐるりと撮影。
パノラマ写真の撮影ポイントから少し進んだ尾根上から和名倉山方面の稜線が綺麗に見えていたのだが、写真を取り忘れてしまいちょっと後悔。右に広大な笹原を見ながら軽く登ると東仙波に到着し、ここで軽く休憩した。
東仙波の先から和名倉山をロックオン。登り返しが多そうに見えるが、見た目よりも大した登り返しもなく、かなり歩きやすかった。
東仙波の先辺りからは、昭和30年台の森林伐採時に利用していたと思われる太いワイヤーや、重そうな鉄の滑車が登山道沿いに放置されているのが目立つようになる。
途中で南アルプスの赤石岳の名前の由来の赤石(ラジオラリア板岩)に似た岩がゴロゴロ転がっていたが、後にも先にもこの岩を見たのはここだけだった。何でここだけなのか不思議だ。
花も新緑も無いけど、バイケイソウだけは青々として元気だった。
東仙波から1時間弱歩くと川又分岐。この山深さに似合わないポップ体の標識が印象的だった。それよりも気になったのが、ヒルメシ尾根経由で川又に下る道で、山と高原地図には登山道の記載はないが十分歩ける道らしいので、今度歩いてみよう。
川又分岐から一登りで二瀬分岐。ここの標識もポップ体だった。しかし以前歩いた時はもっと平坦な箇所で分岐を曲がった記憶があるが、自分の記憶も当てにならないなと思った。
二瀬分岐から東に進むと一旦視界が開けるが、再び樹林帯の中を進み、和名倉山へと向かう。
残置されたワイヤーもここまでくるとオブジェに見えてしまう。
バイカオウレン
二瀬分岐から15分程で和名倉山に到着。山頂は360度樹林帯で展望はないが、樹林の隙間から時折太陽の光が差すと苔が綺麗だった。ここでザックを置いて大休止していると、トレランの男性が到着。この男性にどこからやって来たか確認したところ、将監峠や笠取山の登山口の三ノ瀬から、コースタイムで5時間35分のところを2時間半で登って来たとの事だ。この男性は大体コースタイムの半分で山を歩けるそうで何とも羨ましかった。トレランの男性が下ると、今度はたけさんと同じく昨日将監小屋に泊まった男性も到着し、少し話したところで下山に取り掛かる。
二瀬分岐に戻り、二瀬尾根コース方面に進む。
二瀬分岐から北ノタルの間は、距離が短いながらも屋久島にも負けない程の苔むした樹林帯が続く。まるでもののけ姫の苔むす道を見ているようだった。
ズラを被っているみたいで二人してウケた。
苔むした倒木の上にバイカオウレンが群生していて素晴らしかったが、これを表現する撮影テクニックを持ち合わせていないので良い写真は撮れなかった。プロがこれを撮ったらどう表現するのか見てみたい。
小さな草地の北のタルでは道が少し怪しくなったが、二瀬を示す標識の方向を向くと赤テープが貼ってあり何ら迷う事はなかった。過去に登った時は赤テープも少なく不安になりながら登ったが、現在では地図に実線を引いて良い程1級の道が続いていた。
昔登った時に擦り傷だらけになった背丈を越えるスズタケの藪エリアは、笹枯れており楽々通過出来た。ちなみに、2年前に付近の白泰山に登った時もスズタケエリアはことごとく笹枯れしていたので、エリアが近ければ同じ時期に花が咲いて枯れてしまうのだろうか。
小屋泊装備のたけさんに何とか付いて行き、急傾斜のジグザグ道を下り切ると水場に到着。水場には毎月和名倉山に登って昆虫の調査を行っているという、この山の主のような男性に出会い、この山の歴史や冬季の状況など沢山の情報を教えて貰った。
水場に咲いていたニリンソウ
水場で男性にお礼を伝え、造林小屋跡を過ぎると、平坦な森林軌道跡を歩いていく。何度見ても、当時利用していたトロッコ?の車輪が凄くて、ここまで来ると文化遺産ものだ。
ヤマツツジ
車輪まで苔むしており、風の谷のナウシカのロボット兵を思い出した。
平坦な森林軌道跡を楽々歩いていくと、平坦地は終わり反射板跡地に到着。ここで昼食とし、僕は余った菓子パン、たけさんはホタテの缶詰などで作った海鮮焼きビーフンを食べる。
のんびり昼食を食べてゆっくりしたら、登山口の埼玉山寮までノンストップで急降下。GW後半の事を考えると筋肉痛にならない程度にゆっくり下ったほうがよいのだが、辛い事はさっさと終わらせてしまいたいので、どうしても駆け足で下ってしまう。
以前登った際に唯一道迷いしたこの箇所には標識が立っており、迷わないようになっていた。昔はここには標識はなく、逆に「テープ等を巻かないでください by 地主」と書かれた張り紙が貼ってあったのが懐かしい。
超急傾斜の薄暗い杉林のジグザグ道を下ると、目の前につり橋が現れて山行の終わりも近い。
つり橋から見た湖面と新緑が綺麗だった。
つり橋を渡り切って、埼大山寮の横の道を登って三峰神社線の道路に出る。今日はパワースポットである三峰神社で一番賑わう白いお守りの販売日(毎月1日)で下りの道路が混んでおり、車道の端が通れず車道のど真ん中を手を上げながら下る箇所もあった。
道路が混む理由は車の数も影響しているだろうが、二瀬ダムの堤頂通路が交互通行なのも影響しているんだと思う。ダム好きの自分としては旅の最後がダムの歩きなのでかなり良い山旅になった。
二瀬ダムの堤頂上を歩き、いったん車道に出て少し下ると、スタート地点の秩父湖の駐車場にぐるっと1周して戻ってきた。
駐車場からは二瀬ダムが丸見え。昭和36年に完成したダムであり55歳なので中々の風格だった。
この後は、たけさんの住まいが自宅から近いので車で送る事となったが、秩父市内は激混みであり、通常の2倍以上の5時間もかけて帰宅した。