登山記録 甲信越 越後・佐渡

苗場山(2008年6月28日)

今週末は苗場山に登ってきました。

[登った山]
苗場山 標高:2,145m

[日程]
2008年6月28日(土)

[行程]
町営駐車場→和田小屋→下ノ芝→上ノ芝→神楽ヶ峰→苗場山→フクベノ平→赤湯温泉→赤湯林道ゲート→元橋バス停(行動時間計:8時間47分)

[ALPSLAB route マップ]

[08:03 町営駐車場]

越後湯沢駅前からタクシーに乗って苗場山の祓川コースの
登山口となっている和田小屋手前にある町営駐車場まで移動(25分/5,600円)。他の登山者の記録を見ると、和田小屋まで乗り入れ可能なような事が書いてあったが、ゲートの鎖に鍵がかかっていて、町営駐車場までしか入れなかった。ここから歩いて和田小屋に向かう。

[08:19 和田小屋]

スキー場のリフト下の登山道を一登りすると和田小屋に到着。小屋前の水場の写真を一枚撮影して、登山口に向かう。

[08:20 祓川コース登山口]

和田小屋の目の前にある登山口から苗場山に向かう。

[08:36 六合目]

大きな石が程良く積まれた登山道を登る。泥炭な地質で所々ぬかるんでいるためスパッツを付けようと思うが、スパッツを付けると蒸れるので、ズボンの裾をめくって半ズボン風にして登る。

[08:48 ムラサキヤシオ?]

登山道脇にはムラサキヤシオ(?)やイワカガミが咲いていた。

[08:56 下ノ芝]

下ノ芝に到着。登り始めは青空も見えていたのだが、下ノ芝に到着する頃は空は暗い曇り空になっており、この先の山頂部にはガスがかかり始めていた。

[09:18 中ノ芝]

曇り空で展望も望めないため、黙々と木道を登っていると今度は中ノ芝に到着。こんな日はさっさと山頂に向かって、山頂でゆっくり花を撮影したり後の行程を楽にするに限る。写真を一枚撮影して先に進む。

[09:24 残雪]

中ノ芝から少し登ると残雪が現れるが、残雪歩きはすぐに終わり、再び通常の登山道が続く。

[09:26 上ノ芝]

岩と木道の道を交互に登っていくと、上ノ芝に到着。下ノ芝~上ノ芝の間は、そんなに花は咲いていなかった。

[09:33 神楽ヶ峰方面の展望]

神楽ヶ峰方面はガスに覆われていて微妙な感じだ。

[09:37 下界の展望]

下界の展望はガスの合間にやっと見れる感じで、カッサダムが見えた。

[09:41 神楽ヶ峰]

ついに冬に中々機会に恵まれずに登れなかった神楽ヶ峰に到着するが、登山道上にあるような山頂でピークっぽくなくてびっくりだ。冬は雪に埋もれて360度の展望に恵まれるのだろうか?今度は冬にかぐら・みつまたスキー場のリフトを使って再訪してみたい。

[09:52 雷清水]

雷清水の水場に到着。他の登山者の記録を見ると、晴れていればここから苗場山の素晴らしい山容を望めるようであるが、残念ながらガスっていて見えなかった。だが重いガスではなく山頂に着く頃にはガスが抜けそうな感じなので、期待して水を補給する。ちなみにここまでの道中でずっと虫がうるさかったのだが、この水場付近は「虫の中に自分がいる」位に虫が多くて大変だ。慌てて持ってきた虫よけを全身にかけるが、腕を見ると既にブヨに一ヶ所刺されて血が流れていた。

[09:58 お花畑]

雷清水からは勿体ないほどに一旦下って神楽ヶ峰と苗場山の鞍部にあるお花畑に到着。僕が持っている花の百名山地図帳には「神楽ヶ峰と苗場山の鞍部のお花畑はみごとだ」と書いてあり今回楽しみにしていたのだが、ちょっと時期が早すぎたのか花はまだまだこれからのようだ。

苗場山のガスが抜け始めて少しずつ苗場山の山容を望めるようになるが、ここから見ると立派な山容で、まさかあの山頂部に平坦な山頂湿原があるようにはどう考えても思えない。

[10:18 神楽ヶ峰方面の展望]

苗場山の山頂直下は急登で息を切らしながら登る。後ろを振り返ると、神楽ヶ峰方面の展望を望む事ができた。

[10:26 山頂湿原]

急登を登り切る頃にはガスが抜け、目の前に平坦な山頂湿原と残雪の景色が現れ、最高の気分で山頂に向かう。

山頂湿原の先には谷川連峰の展望が広がっていた。

木道横にはチングルマとコイワカガミが咲いていた。

[10:33 苗場山山頂]

三角点のある遊仙閣の裏手に向かうと、ひっそりと三角点と山頂標識が立っており、記念にパノラマ写真を撮影。三角点のある山頂部は周囲に木があり展望は全く望めないが、少し戻ると谷川連峰などを望める木道上の休憩所があるので、展望を望みに木道上にある休憩所に向かう。


苗場山山頂のパノラマ写真を見る

[10:43 山頂付近休憩所]

三角点のある個所から祓川コース方面に少し戻ったところにある休憩上に移動。ここからは山頂湿原とその先に谷川連峰が見える中々良い展望を望む事ができ、展望を望みながら少し早い昼食とする。が、相変わらず登山時には食欲がわかずパンを一かじりしか食べられなかった。ゼリー飲料なら腹に入るのだが、今日はコンビニに寄れなかったため持ってこれなかった事を悔む。


苗場山木道上休憩所のパノラマ写真を見る

[11:00 赤湯温泉へと下る]

今日はまだまだこれからが長いため、休憩所で20分程休憩してすぐに赤湯温泉方面に下山する。

[11:13 お花畑]

「この時期は赤湯温泉方面に下る登山者は少ない」と遊仙閣の主人に聞いていたのだが、赤湯温泉方面に下ったおかげで素晴らしいお花畑を見る事ができた。車で祓川コースや小赤沢コースから登っている登山者が殆どなのだが、どの登山者も山頂をピストンするだけであり、このお花畑まで降りてくる人がおらず、小赤沢コースからやってきた登山者と二人で「なんで皆これを見にこないのかねぇ」と疑問に思う。とか言いつつ、僕も車でやって来ていたらそのまま山頂をピストンしていたかもしれない・・・。


お花畑のパノラマ写真を見る

木道脇には沢山の高山植物が咲いていた。

咲いていた高山植物は、ワタスゲ、チングルマ、コイワカガミ、タテヤマリンドウ等多数。ゴゼンタチバナは蕾はみたが咲いているのは探せなかった。

チングルマ。

[11:35 昌次新道を下る]

高山植物が素晴らしいため、山頂湿原を抜けるのに30分もかかってしまう。山頂湿原の木道が終わるといきなり残雪が現れて登山道を見失うが、付近をウロウロしてみると鎖がぶら下がっており、これを目印にして下る。

[11:48 昌次新道崩壊地点]

赤湯温泉へと下る昌次新道はシーズン初めのこの時期は整備されていないのか、一ヶ所登山道が崩壊していた。頼りない笹や草の根を掴みながら何とか通過する。

[12:05 シラネアオイ]

昌次新道をこの時期に歩く人は少ないと聞いており、また熊が出そうで怖いため、「おーい」とか「あーい」とわけのわからないかけ声を数秒毎に発しながら下っていると、下から女性二人組が登ってきたので、大きな声で「こんにちは!」と言うと「わーっ」っとびっくりしていた。昌次新道ですれ違った登山者はこの女性二人組だけだったのだが、彼女たちも本日初めて会う登山者が僕のようで、いきなり上から僕が現れたのでびっくりしたようだ。びっくりしてくれたおかげで、僕の恥ずかしい意味不明なかけ声を聞かれずに助かった。女性二人組とすれ違い、下山しているとシラネアオイが見事に咲いており、写真を撮影。

[12:39 フクベノ平]

フクベノ平に到着。小休止しようとベンチに座ろうとするが、苔むして湿っていて座れないので休憩せずにそのまま下る。

[13:00 水場]

フクベノ平を下ると沢水が流れる音が聞こえてきて、登山道脇に小さな沢が流れている箇所をまたいで渡る。地図にはこの辺に水場マークが記載されているので、これが水場なのだろうか?この付近は沢が流れ、登山道も草木で埋もれる程生い茂っており、学生時代に釣りに行った際にヒグマを見かけた箇所と条件が一緒でびびっていると、登山道の右下の沢から草をかき分ける音がして熊への恐怖が最高潮に達する。物音がする個所から若干距離が離れているので、知床の漁師がヒグマを威嚇するように「おいっ!」「こらっ!」と大きな声で威嚇するが、相変わらず下のほうで「ガサガサ」と草木をかき分ける音がするので、もう一度「おいっ!こらっ!あーっ!おーっ!」のオンパレードで威嚇してみるが、それでも下の沢でガサガサ音がするので手がつけられない。熊も人が怖いのでこちらから威嚇すれば逃げてくれると思っていたのだが、予想に反して逃げてくれず、「もーこりゃ駄目だー」と最後にもう一度「おいっ!こらっ!」と腹から大きな声で叫んでみると、下の沢から「どうかしましたかー?」と人間の声が聞こえてきて緊張が一気に解きほぐれた。登山道を覆う草をかき分けて人の声がする方に下ると、ツルハシを持った男性(赤湯温泉の主人)が崩壊した登山道を修復しており、「ガサガサ」の音の正体はこの方だったようだ(笑)。僕が叫んだ理由を説明すると「この辺に熊はいるかも知れないけど出ないよ」と笑って教えてくれた。

[13:15 桂ノ沢]

熊じゃなくて人間との遭遇地点から少し下ると、「桂ノ沢」に到着。下の方に沢が流れているが、水は十分にあるし赤湯温泉も近いのでそのまま引き続き下る。

[13:26 ツツジ]

ツツジが綺麗だったので撮影。

[13:28 鉄橋]

赤湯温泉の手前には川が流れており、鉄橋を渡って対岸に渡り一度登り返す。

[13:37 赤倉林道分岐]

鉄橋から登り返すと、赤倉山へと続く赤倉林道との分岐に到着。下って赤湯温泉に向かう。

[13:45 河原を歩く]

再び鉄橋を渡って左に下り、河原沿いの道を進む。河原にはペンキでマークが描かれていて迷うことはないようになっていた。

[13:50 赤湯温泉]

河原を進むと上のほうに建物が立派な赤湯温泉に到着。河原からテラスにいる男性と挨拶を交わすが、玄関から入らないとテラス等には行けないような造りになっているらしく、そのまま通過する。

[13:53 温泉見学]

赤湯温泉の建物から少し歩くと露天風呂と男性用の屋根付きの風呂があり、写真を撮影。

こちらは男性用の屋根付き風呂。

こちらは川沿いにある露天風呂。夏なら川で泳いで温泉に入っての繰り返しが気持ちよさそうだ。

温泉付近には「珍宝館」なる館があり、男女のモノに模った木を飾ってありました。

入浴心得。

少し離れた場所に女性用の青湯もあった。内部を見たい方はこちら

[13:58 崩壊した鉄橋と仮設の橋]

赤湯温泉の先にある鉄橋は何の影響か分からないが曲って壊れており、仮設の橋が用意されているのだが、作りが心許なくて渡るのは結構怖かった。

[14:25 鷹ノ巣峠]

赤湯温泉から川を渡って登り返すと、鷹ノ巣峠に到着。ここでは携帯の電波が通じるらしく、タクシー会社の小さなチラシが設置されていた。ここでベンチに座りパンを食べて小休止。

[15:09 鉄橋]

小休止して元気を取り戻して再出発。鷹ノ巣峠を下ると綺麗な鉄橋が現れ、鉄橋を渡った先の斜面に設置されている綺麗な木の階段を登って進むと林道終点となっており、工事関係者等の車の車輪跡がついていた。

[15:30 赤湯林道ゲート]

平坦な林道を進むと、ゲートに到着。駐車場はこの林道の下にあると書いてあった。

[15:58 元橋方面登山口]

林道を黙々と歩いて進み、小日橋を過ぎてしばらくすると、元橋バス停方面へと続く登山道を示す看板地点に到着。

[16:43 火打峠]

元橋バス停へと向かう登山道はちゃんと整備されているので迷うことはないが、最後の最後に現れる火打峠への登り返しが疲れた足にはきつかった。

[16:50 元橋バス停]

芝生状になっている道を下ると国道に出て、越後湯沢駅方面に少し行くと元橋バス停に到着。次のバスが17:16分なので、丁度良い時間に到着する事ができた。

この後は越後湯沢駅に向かい、駅前の温泉で一風呂浴びて食事をしてから東京に戻った。

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