尾瀬・谷川・上州 登山記録 関東

谷川岳馬蹄形縦走路-1日目(2014年5月31日-6月1日)

登った山

トマノ耳(1,963m)、オキノ耳(1,977m)、一ノ倉岳(1,974m)、茂倉岳(1,778m)、武能岳(1,759m)、七ツ小屋山(1,664m)、朝日岳(1,945m)、笠ヶ岳(1,852m)、白毛門(1,720m)

行程

1日目
天神平駅(07:32)-熊穴沢避難小屋(08:10)ー肩の小屋(09:32/09:43)ートマノ耳(09:50/09:59)ーオキノ耳(10:11/10:16)ー一ノ倉岳(11:28)ー茂倉岳(11:58)ー武能岳(13:32)ー蓬ヒュッテ(14:15)

2日目
蓬ヒュッテ(04:25)ー七ツ小屋山(05:19)ー清水峠(06:06/06:28)ージャンクションピーク(08:48)ー朝日岳(09:04/09:15)ー笠ヶ岳(10:24/11:11)ー白毛門(12:01)ー土合橋P(14:11)

登山記録

「谷川岳馬蹄形縦走路」。谷川岳と向かいの白毛門へと続く逆U字側(南側から見た場合)の縦走路であるが、谷川岳と白毛門が登頂済みというのもあってかその間の山々はまだ歩いておらず、梅雨前の貴重な晴れの週末に歩く事にした。天気予報では土日2日共に晴れ。3月後半からほぼ毎週山に登っており、筋力は十分回復しているが、相変わらず体重が減らず持久力に自信がない。という事でスタート地点は谷川岳ロープウェイの天神平駅とし、初日は蓬ヒュッテに素泊まりで1晩お世話になる計画とする。

谷川岳ロープウェイは7時からの運行のため、逆算して4:30頃に自宅を出発。関越道を使って水上ICで高速を降り、谷川岳ロープウェイ方面に向かう道でセブンイレブンに寄って行動食のパンを購入。セブンイレブンは朝から車が沢山停まっており、服装を見るとカラフルで明らかに登山者ばかりだった。谷川岳ロープウェイの駐車場には6:50に到着。暗い1F駐車場で荷物を整理してから6Fまでエレベーターで上がり、きっちり7時にチケット売場の窓口が開きチケットを購入。ロープウェイに乗って天神平駅に向かう。

ロープウェイに乗って山に向かうこの感覚は久し振りだ。同じロープウェイに乗っていた山ガール達もこれから向かう谷川岳の山容を見て楽しそうに会話していた。標高差750mを僅か10分で楽々かせぎ、終点の天神平駅に到着。カメラバッグを首からぶら下げていつも通りのスタイルで谷川岳へ向かう。
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天神平駅から残雪と夏道のミックス帯を登っていくと、田尻尾根の分岐。田尻尾根の半分くらいは頭上にロープウェイが走っているのが見えるので、下りでは使う事があっても登りでは気分的に使わないだろうなぁ。
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新緑の木々の下の残雪を先行する山ガールと同じペースで登っていく。 山ガールの後ろを歩いていた男性の歩きが危なっかしくて、この先大丈夫なのかちょっと心配した。
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途中で山ガール達を追い越して、熊穴沢ノ頭避難小屋に到着。3月には小屋の屋根が埋もれる位の積雪なのだが、たったの2ヶ月で雪は跡形もなく消えるものかと感心。
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避難小屋からは夏道が続き、岩場のクサリも露出しており全く問題なく歩けた。
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途中で中ゴー尾根と俎嵓山稜の写真を撮影。中ゴー尾根はどう考えても歩いている人が少ないと思われるので、静かな山歩きを好む自分には最高の尾根歩きになりそうだ。俎嵓山稜は初めて天神尾根を歩いて一目惚れした稜線であり、登山道はないが何とか歩けそうなので今後のターゲットにしている稜線だ。

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今日の行程は短いので焦る事もなくゆっくり登ってきたのだが、それでも息が上がって足を止めて呼吸を落ち着かせるシーンが何度かあり、体力が落ちている事が分かる。距離自体が短いのであっという間に谷川岳の山頂部方面が見えてくる。山頂部には残雪が沢山残っており、登山道にまで雪解けの水が流れてきており、冷たい水で顔を猫みたいに拭いながら登っていく。
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山頂部直下の残雪にはロープに旗棒も用意されており、斜面は沢山の人が歩いているので階段状になっていて、アイゼンは付けずに簡単に登れた。
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残雪の登りが終わると夏道に突き当り、すぐ先にある谷川岳肩の小屋に到着。水は沢山持ってきており余っているのだが、ジュースが飲みたくて小屋に駆け込んでバヤリースの250ml缶を買って飲んで笑顔になる。(これだから体重が減らないのだ。)小屋から外に出ようとすると、小屋の壁にかけてあった山バッジに目が止まる。山バッジは4種類位売っていたが、ミネウスユキソウが描かれているのが可愛くて気に入って購入。何かよくわからないが火が付いたので、今後は高山植物が描かれている山バッジ限定で購入する事にしよう。 ちなみに山バッジファンには申し訳ないが、山=ピッケルという古いイメージの絵柄のバッジは全く欲しくない。ピッケルよりも高山植物やゆるキャラ(全然可愛くないけど。笑)を描いてくれればいいのに。
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肩ノ小屋から外に出ると国境稜線を登ってくる男女ペアが下に見えたので、小屋に上がってくるのを待って稜線上の高山植物の開花状況を確認。高山植物で有名な平漂山はチラホラ咲いていたがまだまだこれからといった感じのようで、「再来週位じゃないと沢山咲いていないのでは」と教えて貰った。
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小屋から少し登ると谷川岳トマの耳。山頂に到達した達成感はあるが、今回で4回目なので特に湧き上がる感情は発生せず、大人しくパノラマ写真を撮影。山頂で休憩していた女性が気を使ってパノラマ写真のフレームから外れるように移動してくれたのだが、何だか申し訳なくて「すみません」とばかり連呼してパノラマ写真を撮影。正直パノラマ写真に人が写ってしまっても、後で顔にぼかしを入れるので特に気を使って頂かなくても構わないのに・・・。でも気を使ってくれた女性には感謝です、ありがとうございました。
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トマノ耳のパノラマ写真を見る1トマノ耳のパノラマ写真を見る2

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双耳峰のもう一つの耳である、トマノ耳に移動。オキの耳には人が少なかったが、トマノ耳は大盛況で皆景色を眺めながら食事をしていた。人混みが苦手なので、人のいないスペースでそそくさとパノラマ写真を撮影し、一ノ倉岳目指して先に進む。
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オキノ耳のパノラマ写真を見る

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トマノ耳から一ノ倉岳方面に進むと鳥居が出現。ここから先は未知の登山道であり、目に入る景色全てが新鮮でありワクワクしながら歩いて行く。
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途中で展望のよい場所で座って大休止。休憩を終えて再び一ノ倉岳方面に向かうとノゾキに到着。ノゾキを覗いたら恐らく物凄い高度感でヒーハー言うのかと思いきや、高い所は大の得意なので全く問題なし。腕が無くて全く高度感が伝わらない写真を撮影して先に進む。
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オール夏道を登って一ノ倉岳に到着。一ノ倉岳の山頂には避難小屋があり、扉を開けようとしたら扉のサッシ自体がボロッと外れて壊れていた。この小屋から徒歩1秒で山頂なので、展望派・星空派の方々にはたまらない山頂ではないだろうか。
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一ノ倉岳のパノラマ写真を見る

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一ノ倉岳を下るとすぐにたっぷりの残雪帯に突き当り、暫く残雪歩きが続く。ガスっていたら方向に気を付けないといけないが、晴れていればトレースもバッチリで残雪帯の真ん中を歩いていていれば問題なく、特にヒヤヒヤせずに歩けた。
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後ろを振り返るとトマ・オキノ耳から平標山まで続く稜線が見え、斜面の残雪もアクセントになっていて中々良い景色が広がっていた。登山道のすぐ傍にはハクサンイチゲが咲いており夢中で写真を撮影。時期が早いので今回は高山植物よりも展望目的で来たのだが、やっぱり高山植物はいい。山歩きの楽しみが倍になるので、今後の夏山シーズンがたまらなく待ち遠しい。
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左右に広がる大展望と花を楽しみながら進んでいるうちに茂倉岳に到着。地図を見ると少し下に避難小屋があるらしいので、山頂にザックをデポして見学に行く。山頂から少し下ったら下に小屋が見えたが、何だか無理して行かなくてもよい感じの微妙な距離だ。結局小屋まで降りずに途中でパノラマ写真とシラネアオイを撮影して山頂に戻ると、肩ノ小屋で出会った千葉県の夫婦ペアも山頂に到着し、一声かけて夫婦ペアは武能岳へと下っていった。
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茂倉岳のパノラマ写真を見る茂倉岳直下のパノラマ写真を見る

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茂倉岳からは最低鞍部の笹平まで標高差約380mを下る。途中で千葉県の夫妻ペアが休憩しており、下りが苦手なようでキツそうにしていた。こちらは登りは大の苦手だが下りは好きなので苦にはならない。調子にのって歌を歌いながら下っていると、下から単独行の男性が現れ、歌を聞かれてしまい恥ずかしかった。
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登山道沿いにはニリンソウ、オオカメノキ、ミヤマキンバイなどの花々がチラホラ咲いていた。
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最低鞍部から少し登り返した所から後ろを振り返ると、茂倉・一ノ倉岳がデカい。
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最低鞍部の笹平から武能岳までは標高差約165mあり、「大した事ないだろう」と登り返したが、先程の下りが利いていたのか思いのほかキツかった。辿り着いた武能岳の山頂からは朝日岳の山容が物凄くて、朝日岳の右にある笠ヶ岳や白毛門がオマケのように霞んで見えてしまう位見事な山容だった。
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武能岳のパノラマ写真を見る

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武能岳からは笹原の登山道を下り、蓬ヒュッテに到着。時間はまだ14時であり、清水峠まで行こうと思えば行けるのだが、早く小屋に着いて本を読んだりゆっくりするのもよいので、予定通り蓬ヒュッテにお世話になる事にする。
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小屋に入ろうとすると、小屋開きの準備中であり「外で飲んでて」と外に出されてしまう。仕方がないので小屋の前のベンチで横になって本でも読もうとしたが、日差しがキツくて皮膚がジリジリと焼けて読書どころではないので、明日の分も含めて水を汲み行く事にする。小屋の主人から水場まで下り10分登り20分と聞いていたが、大抵この手の時間は大げさである。「そんなにかからないだろう」と実際に測ってみたら、下り7分登り11分でやはり聞いていたよりは時間はかからなかった。水場は水量豊富であり、水は頭が痛くなるほど冷たくて美味い。あまりにも暑いのでシャツを脱いで裸になって頭を洗ったが恐ろしい程に冷たいので頭がガンガンに痛くなった。DSC_0003

水場から戻ると肩ノ小屋で出会った千葉県の夫妻も到着しており、旦那が水汲みに出かけるところだったので水場の状況を教える。夫妻は今日は頑張って清水峠まで歩き、避難小屋泊との事だ。夫妻はゴール地点が自分と同じなので、明日タイミングよく同じ時間帯に下山した場合は水上駅まで送りますよ~なんて会話をして、奥さんは靴ズレで足を痛そうにして清水峠に向かっていき、水汲みから戻った旦那にも挨拶してお別れした。水汲みも終えてもうさすがに大丈夫だろうと小屋に入ろうとするが、まだまだ準備中。自分と同じ行程でやってきた男女ペアも到着し、小屋に入っていくとすぐに出てきたので聞いてみたら「冷蔵庫を組み立てていてまだまだかかりそう」との事。小屋開きは明日である事は知っていたので文句は言えないが、今更ながら清水峠まで行けばよかったと思っても今更遅い。小屋前のベンチで秋山郷に生きた山の女の本を読んで、過酷な生活内容にこっちまで疲れてきたところで、同宿の女性からリンゴ入りの美味しいパンケーキの差し入れを頂き、16時過ぎにやっと小屋に入る事が出来た。
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素泊まり料金は500円オマケしてくれて3000円だった。小屋の主人が2階にある寝床にテーブルを用意してくれて、そこで自炊してもよいとの事だったが、展望を見ながら食事したかったので小屋前のベンチで晩飯の準備。定番となっている大盛りパスタを作って食べてお腹一杯。付近を散策しながら写真を撮影したり本を読んだりして、日暮れと共に19時過ぎにシュラフに入って眠りについた。
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2日目につづく

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