日程・行程
2008年6月15日 晴れのち曇り
摺鉢窪避難小屋(04:29)→南駒ヶ岳(05:39/05:56)→仙涯嶺(07:27)→越百山(08:21/08:32)→越百小屋(08:59/09:28)→御嶽見晴台七合目(10:24)→福栃平(11:44)→登山口・伊奈川ダム上部P(12:37)→須原駅(13:07)
2日目の記録
3時に起床。朝食を食べて荷物をまとめ、4時前に小屋の外に出て三脚を立てて朝焼けの撮影の準備をする。4時前だとまだ少し暗く、下界の明かりも点いていたが、暫くすると空が赤く焼けてきて最高の一日の始まりだ。
沢山の写真を撮影して満足したところで、4時半頃にアイゼンを履いて小屋を出発する。小屋からは緩斜面が続くが、暫くすると斜面が急になり、6本爪アイゼンのためずり落ちそうになりながら登っていく。
北岳、間ノ岳、農鳥岳。
荒川三山と赤石岳。
聖岳~池口岳の稜線。
塩見岳~聖岳の稜線。
擂鉢窪カールの登りは、6本爪アイゼンのため前爪で雪面を蹴り込む事が出来ず、何度もずり落ちそうになったが、何とかカールを登り切って一安心。恐怖感や経験値は人それぞれ違うので判断が難しいところだが、個人的には12本爪アイゼンが妥当だと思った。再び稜線に復帰すると周囲の山々の展望が物凄くて、ここでも沢山写真を撮りまくった。
御嶽山と背後に白山。
乗鞍岳と笠ヶ岳。
塩見岳と富士山。
写真撮影を終えたら稜線を南下し、南駒ヶ岳へ向かう。
擂鉢窪避難小屋の分岐から30分程登ると南駒ヶ岳の山頂に到着。南駒ヶ岳の山頂からは360度の大展望を眺められ、特に南アルプスオールスターズの稜線の連なりが見事だった。深田久弥氏が日本百名山を選ぶ際に、木曽山脈の2つ目の山を空木岳と南駒ヶ岳のどちらにするか最後まで迷ったとの事だが、それも分かる位に見事な展望だった。
木曽駒ヶ岳~空木岳の稜線。
南駒ヶ岳のパノラマ写真を見る1
南駒ヶ岳のパノラマ写真を見る2
南駒ヶ岳のパノラマ写真を見る3
南駒ヶ岳の大パノラマを堪能したところで、仙涯嶺に向かう。
南駒ヶ岳と仙涯嶺の標高差は107mしかなく、楽勝だろうと思っていたのだがそうは甘くない。夏道なら大した事はないのだろうが、残雪のトラバースが3ヶ所も現れ、その度にアイゼンを履く必要があり中々大変だった。ちなみに写真で見ると大した事は無いように思えるが、雪面はノーアイゼンでは歩けない程に固く、左下は奈落の底であり、6本爪アイゼンで足をガクガク震わせながら歩いていた。昼なら雪が緩んで歩けるかもしれないが、気温が上がっていない朝にここを歩くなら12本爪アイゼンが欲しいところだ。
恐怖のトラバースを終え、ここから先は夏と同様に歩けた。
駒ヶ岳~仙涯嶺の間は地図タイムでは1時間だが、トラバースやら何やらで1時間半もかかって仙涯嶺に到着。仙涯嶺は、単なる稜線上の小ピークだろうと思っていたのだが、南駒ヶ岳に続いてこれまた360度の大展望であり、たまらずにパノラマ写真撮影を楽しんだ。
仙涯嶺からの南駒ヶ岳。
仙涯嶺でパノラマ写真を撮り終えたら、越百山に向かう。
塩見岳、富士山、荒川三山、赤石岳。
仙涯嶺から越百山までの間はハイマツ沿いの登山道歩きとなり、楽しい稜線歩きが続く。
ミネズオウ。アオノツガザクラも咲いていた。
仙涯嶺と越百山の最低鞍部付近から越百山を望む。
南駒ヶ岳と仙涯嶺。
名前の響きが美しい越百山に到着。山名も展望も美しいのだが山頂標識だけが美しくなく、しかもパノラマ写真の撮影ポイントを誤ってしまい、山頂標識で南駒ヶ岳や仙涯嶺が隠れてしまい後で後悔した。
越百山でパノラマ写真を撮り終え下山を開始する。南越百山手前にある飯島町へと下る登山道を眺めてみると、登山道は谷沿いで残雪で埋まっており、ルートファインディングに乏しい自分には確実に下れる自信がない。間違って下ってしまうと登り返すのもキツイので、林道歩きが11kmと当初の予定より長くなってしまうが確実に下れる遠見尾根沿いに登山道が付いている越百山の登山口に下る事とした。
予定を変更し、越百小屋がある遠見尾根を下る。
笠ヶ岳と槍穂連峰。
越百山から30分程下り、越百小屋に到着。小屋の主人が布団干しで屋根の上に上がっており、主人とこの界隈の山について世間話。ついでに登山口までの道を確認すると、残雪は無く道もしっかりしているとの事で、安心して下山する。
ガスが沸いてきたが、雨が降るような天気では無く、尾根を下るだけなので影響なし。
遠見尾根には可愛らしいバイカオウレンが咲いていて癒される。
上の水場を見学。
七合目の御嶽見晴台に到着するも、ガスで遠目が利かなくなっているのでスルーして下る。
上のコル
下のコル
下のコルを1分程下ると水場があった。
下のコルの水場を20分程下ると堰堤が見えてきて、堰堤の下を降りていくと福栃平に到着。ここから林道を1時間歩くと駐車場のある登山口、登山口からは更に林道を11kmも延々と歩く事になる。
足の裏にマメが出来てしまうのを覚悟しながら林道を歩いていると、林道沿いの川での釣りを終えた釣り人が林道に上がってきて、救世主登場。釣り人は奥様の目を盗んで名古屋からやって来たらしく、過去に山登りもしていて会話が弾み、何と幸運にも須原駅まで車で送って貰える事となった。駐車場のある登山口に到着し、釣り人の車で須原駅まで送ってもらい、中々来ない電車を延々と待ち続けて塩尻経由でスーパーあずさに乗って東京に戻った。