磐梯・吾妻・会津 登山記録 東北

観音山・旭岳(2016年2月19日)

日程・行程

2016年2月19日(金) 晴れ

観音沼森林公園(06:07)-観音山(09:00/09:26)-旭岳(11:24/12:03)-観音山(13:36/14:06)-観音沼森林公園(15:10)

記録

代休取得予定日に運良く晴れの予報に恵まれたため、昨年の3月に裏那須の旭岳で亡くなったデイダラボッチさんの追悼登山に向かう事にした。

前夜20時に大泉ICを出発。東北道に入り、ノンストップで順調に北に向かい、22時半に那須高原SAに到着。このまま登山口まで向かうと今日中に登山の起点となる観音沼森林公園に到着できるが、冬季のためトイレの閉鎖が心配なのと、今日中にICを降りるとETCの深夜割引も効かなくなるためここで仮眠する事とした。

当日は4時半に起床。仮眠どころか普段よりも多い6時間も寝られたので目覚めはバッチリ。SAから十数キロだけ運転して白河ICで高速を降りる。白河IC近くのセブンイレブンで朝食のあんかけ焼きそばを食べ、夜明け前の暗い国道289号を西に向かい、「道の駅しもごう」の先にある観音沼森林公園に抜ける道へ左折するが、未除雪で「冬季閉鎖」の看板もあり、一人唖然とする・・・。カーナビで迂廻路があるか探したところ、数キロ先にも観音沼森林公園に向かう道がある事が分かり、安堵する。カーナビ任せに何度か左折しながら車を走らせると大きな駐車場がある観音沼森林公園に何とか05:45に到着。朝からヒヤヒヤした。

今日は1日晴れの予報なので他に登山者がいるかと思っていたが、誰もいなかった。ついでに予想通り駐車場近くにあるトイレは鍵がかかっていて閉鎖されていた。荷物を詰め、6時過ぎに駐車場を出発する。

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駐車場から車道に出て舗装された緩い傾斜の道をしばらく登っていくと、左手に登山口を示しているであろうピンクテープが目に止まる。ここから登ってもよいが、「確か鳥居があるはず」と思い、少しだけ先に進むとすぐに鳥居を発見。雪は締まっていてワカン無しでも歩けそうであるが、念のためワカンを履いてスタートする。

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鳥居からは昨日歩いたと思われる方のスノーシューのトレースが残っていた。恐らく観音山までは間違いなくトレースの恩恵にあずかれるだろう。感謝しながらありがたくトレースを使わせてもらう。

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登り始めてすぐに周囲の山々の朝焼けタイムが始まるが、樹林が邪魔でよく見えず残念。

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スノーシューのトレースを使わせて貰えばよいものを、自分の勘を信じて尾根のど真ん中を直登しまくっていると、雪も途切れ途切れになり、更に藪の急傾斜にはまって少しだけ無駄な時間を使ってしまった。

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急斜面を登りきると、再びスノーシューのトレースと合流し、地形図記載の1214のポイントに出て視界が開ける。進行方向右手には、裏那須の大倉山~三倉山が日を浴びて綺麗に聳えていた。

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1214から先は尾根も広くなって藪も雪に埋もれて歩きやすくなってくるだろう・・・、と思いきや、雪が少なすぎて笹が煩い。しかも岩が露出してワカンでは歩きにくい箇所も現れ甘くなかった。

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日が当たらない北斜面には少しだけ霧氷が残っていた。

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大汗をかかないようにゆっくりマイペースに登っていくと、旭岳が顔を出し、観音山に到着。観音山の山頂は立木が邪魔して360度の展望は利かないものの、移動すれば周囲の山々の展望は良く見える中々良い山頂だった。

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左から小野岳、大戸岳、二岐山。小野岳の先には飯豊連峰の展望が広がっているらしいのだが、今日は雲に覆われていて見られなかった。

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二岐山とその先に磐梯山。

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観音山から旭岳。簡単に登らせてくれるわけもなく、一旦下って少し登り返しが必要だ。

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観音山から旭岳山頂部をズームで撮影。山頂手前のこんもりとした要塞みたいなコブがいやらしい。

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観音山のパノラマ写真を見る-1

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山頂で大好物の蒸しパンを食べてエネルギーを補充したところで、旭岳に向かうため一旦鞍部まで下る。観音山まであったトレースはここから先には無く、この先はウサギのトレースしかなかった。どうやら昨日登った方は観音山止まりだったようだ。

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一旦鞍部まで下って、忠実に尾根を辿って登っていくと、山頂手前のコブがだいぶ近くなる。コブの奥に見える旭岳の肩辺りで鏡か何かを操作しているのか光がキラキラしており、カメラで目いっぱいズームして確認したところ3人の登山者が肩の辺りでもぞもぞしていた。観音山森林公園には自分以外の車は停まっていなかったので、おそらく甲子山経由で旭岳に登っている登山者だろう。

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コブ手前の斜面ではモンスターとまではいかないがミニモンスターが発達中だった。いや、この天気でモンスターが解けてミニモンスターに降格しただけかもしれない。明日からまた少し天気が悪くなるのでまだまだ大きくなるだろう。

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藪のミニミニモンスターを蹴散らして登っていくと、ついに山頂手前のコブとご対面。

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コブ手前の細い尾根上には赤テープが巻かれている枯木が1本立っており、進行方向左下は奈落の底だった。

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コブ手前でワカンからアイゼンに履き替え、ストックとワカンをデポして、ピッケルとアイゼンのスタイルで山頂に向かう。滑落しないように、凍った藪を手で掴みながらコブのど真ん中を登っていく。ちなみに雪が少ないので藪が露出していたが、雪が多くて藪が完全に埋まって更にコブが一面カチコチに凍ってしまったら、登りは問題無くても下りはかなり難儀だと思った。

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コブの辺りは藪が密になっており、雪面にピッケルを刺しても固い岩かスカスカの雪面のどちらかでピッケルは全く役に立たず、藪を首根っこから掴んで腕力で登り切った。コブを越えたらやっと山頂が見えてきて、稜線上も細くなってきたので藪にアイゼンを引っ掛けないように慎重に進んでいく。

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山頂直下の兎の足跡だけが残る綺麗な雪面を登りきると、旭岳の山頂に到着。旭岳の山頂は木が生えておらず、360度の視界が利く物凄い大展望の山頂だった。山頂に到達した達成感と、この360度の大展望を眺めた直後に滑落したデイダラボッチさんの事を想うと、急に涙がこぼれてきて久し振りに心から泣いた。山頂でデイダラボッチさんにドリップコーヒーを淹れ、合掌。帰りの事も考えるとそんなにゆっくりもしていられないので、後悔しない程周囲の山々の写真を撮影したところで下山する。

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裏那須の流石山~大倉山~三倉山の山塊が見事だった。

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後ろの山はカシミール3Dで調べたところ、左から、燧ヶ岳、会津駒ヶ岳、越後山脈の山々と続いているのが分かった。

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こちらは表那須方面。真ん中の黒く突き出ている山は朝日岳、その右は三本槍岳。左下には坊主沼避難小屋も見えていた。

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奥の山は左から、男体山、太郎山、日光白根山。手前は流石山~大倉山の稜線。この縦走路は花が良いらしいので、夏に歩いてみたい。

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旭岳のパノラマ写真を見る

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下山は、とにかく藪にアイゼンを引っ掛けて転ばないように気を付けて下っていく。

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コブ直下にデポしたストックとアイゼンを回収し、ワカンに履き替えずにそのままアイゼン+ストックで下山。後ろを振り返って、デイダラボッチさんに「今度は成長したモンスターを見に来るね」と伝えて下っていく。

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ワカンを履いていないので時折膝下まで雪にハマったりする事もあったが、全体的には雪は締まっていて、ワカンは不要だった。

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再び観音山に戻ってきたところで、再度パノラマ写真を撮り直してから観音山を下る。

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観音山のパノラマ写真を見る-2

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観音山のパノラマ写真を見る-3

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観音山から下も、行きはワカンだったがオールアイゼンで雪面に踵を蹴り込んでガシガシ下っていく。それにしても2月の厳冬期とは思えない雪の少なさであり、これが行動を楽にしてくれたのかキツクしてくれたのかはよく分からなかった。

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行動中は蒸しパン1つしか食べておらず、途中でガス欠となり足が止まるが、アミノバイタルのゼリー飲料でドーピングして復活。1214直下の笹薮が多い急斜面でトレースを見失うが、方向だけ間違わないように下っていくとトレースに合流し、更に暫く緩斜面を下ると、取り付き地点の鳥居手前のピンクテープが見えてきて無事下山。

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駐車場に戻ると自分の車以外にもう1台車が停まっていたが、荷物を整理しているうちにいつの間にか車が無くなっており、他の登山者だったかどうかは分からなかった。

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行きは暗くて気付かなかったが、駐車場から旭岳が見えた。

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帰りの道中で車窓から「立派な山があるなぁ」と思い、道の駅しもごうで車を降りて地図を見ながら確認したところ、今日登った旭岳だった。北側から見ても中々立派でした。

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温泉は弥五島駅近くにある「弥五島温泉 郷の湯」を選択。格安(330円)の割には源泉掛け流しの温泉で中々良い温泉だった。

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この後は、デイダラボッチさんが登山道整備に力を入れていた雨巻山に向かう前に事前に奥様に連絡しようとするが、スマホに電話番号を入れ忘れてきてしまい連絡が取れなかったため、とりあえず益子町手前の「道の駅もてぎ」まで下道で移動し、道の駅で車中泊。久々の9時間行動で疲れたのか、シュラフに入ったら3秒で寝てしまった。

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