日程・行程
2007年7月7日(土) 晴れ
雌阿寒温泉登山口⇒雌阿寒岳⇒分岐⇒阿寒富士⇒分岐⇒オンネトー登山口⇒雌阿寒温泉登山口
記録
6月4日にKAZUさんから「雌阿寒・斜里・羅臼に登らない?」とメールで誘いを受ける。この3山の遠征に関しては3年前から計画済みであり、プランも全て固まっているのだが、「実家に帰らずに北海道の山に登るのは親に後ろめたい」と泣く泣く断りのメールを
送信するも、再度KAZUさんから押しのメールが届く。結局KAZUさんの押しに負け、その日のうちに上司に有休の申請をして、飛行機のチケットとレンタカーの手配を済ませ、7月7~9日の3日間で、北海道道東の3山を登る事となった。ちなみに後で調べたら10:25にKAZUさんからメールが届き、二人ともその日の会社の定時には有休の申請とチケット手配が済んでいた。事前にプランが固まっていたというのもあるが、即断即決してくれる仲間がいるのはとてもありがたい事だ。
08:37 雌阿寒岳空撮
羽田空港発7:30の飛行機に乗り、女満別空港まで移動。移動中に窓から外を見ると、眼下に雌阿寒岳が聳えており、オンネトーまで見えていたのですかさず写真を撮影。出発してから到着するまでにこの時点で既に20枚程写真撮影していたのには、自分でも呆れてしまった。
09:04 女満別空港
女満別空港に到着。預けていた荷物を引き取った後は、空港から数分の所にある日産レンタカーに向かい、「ティーダ」をレンタルして登山口がある雌阿寒温泉に向かう。
11:12 雌阿寒温泉登山口駐車場
コンビニで買い物したり、北海道らしい風景を眺めたりしながら車を走らせ、雌阿寒温泉登山口付近にある駐車場に到着。天気は良好、今日一日中天気はもちそうだ。
11:15 雌阿寒温泉登山口
登山口にはクマに注意の看板があったので、非常に煩いクマ鈴を取り付けて登り始める。
11:18 ゴゼンタチバナ
本日の第一高山植物を発見。このゴゼンタチバナは、明日以降登る斜里岳や羅臼岳でも咲いていた。
11:32 木の根道を登る
登山道は妙に木の根が多く、自然の階段が沢山。後で調べたらこの付近に生えている木は「アカエゾマツ」という痩せた土地でも成長出来る木で、少ない養分を集めるために根を網の目のように広げているの
だそうだ。
11:38 二合目
二合目に到着。途中で上半身裸の外人を含むグループが追い越していった。明日・明後日と山が続くのでKAZUさんのペースは珍しく遅めで、ゆっくりと登る。
11:45 森林限界
登りはじめて30分程で、森林限界に到達。何ともありがたい山だ。
噴火口方面からは煙がモクモクと沸いていた。
11:53 エゾイソツツジ
長い雄しべが特徴的なエゾイソツツジ。
12:05
付近は樹林帯から一変して、火山地帯特有の赤い土にハイマツが生える景観に変わる。
12:17 五合目
森林限界から少し登ると五合目で、眼下にはオンネトーが見えた。
12:27 フップシ岳
登山道からフップシ岳を撮影。「フップシ」とはアイヌ語で「トドマツの多い」という意味なんだそうだ。北海道の地名の語源は殆どアイヌ語。僕の田舎は福島町という道南の町だが、昔は「オリカナイ」と呼ばれており、小学校の校歌にも「蝦夷が沢のオリカナイ~」とアイヌ語が登場するのだ。
12:34 七合目
フップシ岳を眺めながら登ると、七合目。
12:39 メアカンフスマ
七合目を過ぎると登山道脇には花が沢山。写真のメアカンフスマは北海道の道東にしか咲かないのだそうだ。
12:40 メアカンキンバイ
ミヤマキンバイかと思ったけど、花弁の先が凹んでいないので、間違いなくメアカンキンバイだろう。
12:43 山頂は近い
高山植物を撮影で寄り道しながら、ゆっくり登っていると、今度は荒々しい登山道に風景が一変する。
12:57 火口
岩が多い登山道を登りきると、大きな火口が現れる。火口には赤沼があり、火口の斜面からは音を立てながら噴煙が出ており、未だに火山活動が活発なのが分かる。
13:06 阿寒湖方面を望む
剣ヶ峰(マチネシリ)とその先に阿寒湖と雄阿寒岳が見えた。
13:08 雌阿寒岳
雌阿寒岳の山頂に到達。ゆっくり写真を撮影しながら登ってきても2時間かからなかったので、付近の阿寒湖やオンネトーの観光と組み合わせても十分に登れるだろう。
雌阿寒岳のパノラマ写真を見る1|雌阿寒岳のパノラマ写真を見る2
青沼とその先に阿寒富士。富士と呼ばれるだけあって、見事な円錐形だ。
阿寒湖方面をズームアップ。少々見にくいが雄阿寒岳の左に聳える山は恐らく斜里岳だと思う。
13:32 阿寒湖方面への分岐
山頂で小休止してから、阿寒富士に登るために一旦下る。途中に阿寒湖方面への分岐があったが、こちらのルートも面白そうだ。今回は登りに「雌阿寒温泉コース」、下山に「オンネトーコース」を使うので、今度雌阿寒岳に登る時にはこちらのコースを利用する事にしよう。
13:34 青沼と阿寒富士
見事な景観で、自然にカメラのシャッターを切っていた。
13:36 ヒメイワタデ
砂礫帯に咲いていたヒメイワタデ。非常に地味な花でKAZUさんは興味すら示さなかった。笑
13:40 青沼と雌阿寒岳
青沼と雌阿寒岳を撮影。雌阿寒岳の火口は、富士山の火口よりも大きかった。
13:51 コマクサ
八合目付近でついに高山植物の女王と呼ばれる「コマクサ」に初対面。でも折角初めて出会えたのに、どの株を見ても穴が空いていてちょっと悲しかった。ウスバキチョウの幼虫にでも食べられてしまったのだろうかねぇ。
14:01 八合目付近
八合目付近でコマクサの写真を「どんだけー」っつー位に撮りまくり、阿寒富士に向かう。
14:11 阿寒富士に登る
壁のように聳える阿寒富士に登り始める。登山道は砂礫が凄くて、一歩進んで半歩下がるを繰り返しながら登るので非常に効率が悪い。まるで富士山の砂走りの道を登っているかのようだ。
14:29 阿寒富士
阿寒富士に到着。雌阿寒岳の山頂は風が穏やかだったのだが、阿寒富士の山頂は物凄い風で、目に砂が入って酷かった。
阿寒富士のパノラマ写真を見る1|阿寒富士のパノラマ写真を見る2
阿寒富士の山頂からは、つい先程登った雌阿寒岳とオンネトーが見えた。
14:52 八合目
阿寒富士の山頂は風が強すぎてゆっくり出来ないので、パノラマ写真を2カット撮影してすぐに下山してきた。山頂では風が強いが、八合目では風がないのが不思議なもんだ。
15:03 コケモモ
オンネトーコースに咲いていた、コケモモ。
15:09 イワブクロ
こちらはイワブクロ。
15:14 樹林帯の急坂を下る
オンネトーコースは雌阿寒温泉コースよりも登山道は急坂で、どんどん標高が下がって効率的だ。、
15:58 ギンリョウソウ
今回は初めて見る高山植物のオンパレードだ。こちらはギンリョウソウ。八甲田山でも見かけたが、地上には頭しか出していなかったので、今回初のご対面だ。色素が抜けて真っ白でキノコみたいだった。
16:09 オンネトーコース登山口
オンネトコースの登山口に無事下山。しかし、ピストンしなかったが故に、ここから雌阿寒温泉登山口まで戻らねばならない。
16:22 オンネトー
国設野営場の中を通り、オンネトー湖畔にあるハイキングコースを使って、雌阿寒温泉登山口まで向かう。
16:36 分岐
オンネトー湖畔の車道と雌阿寒温泉への分岐に到着。雌阿寒温泉はここから1.6km先だ。
17:10 雌阿寒温泉
登山道には赤布も巻かれて迷う事はなかったが、夕方はヒグマの活動時間帯であり、少々ビビリながら歩いていたので精神的に疲れた。出るかどうか分からないが、北海道の山域でヒグマが生息していないのは羊蹄山付近だけ(近年羊蹄山の6合目でも出没情報あり)なので、知っている者としてはどうしてもナーバスになってしまう。何も知らずに気にせずに歩いているほうが楽なのかもしれない。
17:16 雌阿寒温泉登山口駐車場
再び駐車場に戻ってきた。結局今日は一日天気がもって、未だに青空が広がっていた。
17:25 オンネトー温泉 景福
駐車場近くにある、「オンネトー温泉景福」に寄って温泉に入るが、想定外な事にこの温泉にはシャワーがなかった。売店でシャンプーやボディーソープが売っていたので「シャワー位はあるかな」と思っていたのだが、純粋に浸かるだけの温泉のようだ。結局露天風呂にあった水道(たまにお湯も出た)の蛇口から水を流して頭を洗ってさっぱり。温泉のほうは乳白色の湯が掛け流しで最高の泉質だった。
18:41 オンネトー
温泉から上がった後は、オンネトーから夕陽に染まる雌阿寒岳と阿寒富士を眺めてから、明日の斜里岳登山に向け、清里町の緑ヶ丘公園に向かった。